反復する細菌性髄膜炎の管理に難渋したMondini奇形

「緒言」細菌性髄膜炎は, 生命予後や神経学的後遺症に大きな影響を与える緊急疾患の一つである. 反復する原因としては抗体産生異常, 補体欠損症, 自然免疫系異常などの免疫異常や髄液漏, そして髄膜周辺化膿巣からの波及などの重症感染症があげられる. Klineらは反復性髄膜炎の基礎疾患を調査しており, 47例のうち, 26例が先天性髄液漏, 10例が免疫異常で, さらに18歳未満の33例のうち23例が先天性髄液漏でいずれでも最多であったと報告している. 今回, 反復性髄膜炎をきたし経過中にMondini奇形に起因する髄液漏と診断され管理に難渋した症例を経験したので報告する. 「症例」症例 : 2歳...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2022/08/25, Vol.18(3), pp.299-303
Hauptverfasser: 小林, 光一, 早川, 潤, 佐野, 透美, 楊井, 瑛美, 竹下, 輝, 橋本, 康司, 田嶋, 華子, 五十嵐, 徹, 川上, 康彦, 右田, 真
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」細菌性髄膜炎は, 生命予後や神経学的後遺症に大きな影響を与える緊急疾患の一つである. 反復する原因としては抗体産生異常, 補体欠損症, 自然免疫系異常などの免疫異常や髄液漏, そして髄膜周辺化膿巣からの波及などの重症感染症があげられる. Klineらは反復性髄膜炎の基礎疾患を調査しており, 47例のうち, 26例が先天性髄液漏, 10例が免疫異常で, さらに18歳未満の33例のうち23例が先天性髄液漏でいずれでも最多であったと報告している. 今回, 反復性髄膜炎をきたし経過中にMondini奇形に起因する髄液漏と診断され管理に難渋した症例を経験したので報告する. 「症例」症例 : 2歳5カ月 女児 (臨床経過, 入院時血液検査, 髄液検査は図1に示す) 家族歴 : 特記事項なし 既往歴 : 内耳奇形 (6カ月頃, 蝸牛・前庭低形成と診断) , 反復性中耳炎 (1歳頃から) , 熱性けいれん (2歳2カ月)
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.18.299