細胞極性制御因子aPKCの毛包幹細胞の維持,および創傷治癒における役割

「はじめに」私たちの体の表面を覆う皮膚や消化管上皮, 網膜など, 多くの組織の上皮細胞は, 頂端面(apical), 基底面(basal)という極性構造をもっている. 細胞極性が生み出されるメカニズムの一つは, 細胞極性因子複合体が頂端(apical)側に非対称に分配されることである. 細胞内の重要なシグナル伝達分子である, プロテインキナーゼC(protein kinase C, PKC)ファミリーに属するatypical PKC(aPKC)は, Par3およびPar6と複合体を形成する. aPKC-Par3-Par6複合体は進化的に保存されており, 種を超えて細胞極性を制御している. aP...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2020/06/29, Vol.16(3), pp.130-137
1. Verfasser: 長田, 真一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」私たちの体の表面を覆う皮膚や消化管上皮, 網膜など, 多くの組織の上皮細胞は, 頂端面(apical), 基底面(basal)という極性構造をもっている. 細胞極性が生み出されるメカニズムの一つは, 細胞極性因子複合体が頂端(apical)側に非対称に分配されることである. 細胞内の重要なシグナル伝達分子である, プロテインキナーゼC(protein kinase C, PKC)ファミリーに属するatypical PKC(aPKC)は, Par3およびPar6と複合体を形成する. aPKC-Par3-Par6複合体は進化的に保存されており, 種を超えて細胞極性を制御している. aPKCにはaPKCζとaPKCλの2種の分子種が存在し, ともに細胞極性制御因子として働くが, 両者の個体レベルでの機能の違いについてはほとんどわかっていない. 本稿では, aPKCの毛包幹細胞の維持, および創傷治癒における役割, aPKCζとaPKCλの機能的差異について, 私たちの研究を含めて概説する.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.16.130