P-13)大動脈炎症候群に対する人工血管吻合部-心外膜ペースメーカーリードポケット瘻から左乳癌近傍への難治性出血に対し集学的治療により治療し得た1例
70歳, 女性. 既往に大動脈炎症候群(35歳), 大動脈-両側大腿動脈バイパス術, 心外膜ペースメーカ植え込み術(42歳), 冠動脈バイパス術(47歳), 左腎動脈バイパス術(50歳), 右腎動脈ステント留置(60歳), 左乳癌(69歳)がある. 発熱, 左前胸部の乳癌皮膚浸潤付近からの排膿, 出血にて循環器内科へ入院. 頻回の出血で出血性ショックに陥るため集中治療室へ転室. 大動脈造影では上行大動脈からの心外膜ペースメーカリード部に向けて造影剤の漏出を, 胸部CTでは同部位の造影剤の漏出に加え, リード周囲を伝わる造影剤の進展を認めた. これらの所見より大動脈と人工血管の吻合部から心外膜リ...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2011, Vol.7 (4), p.208-209 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 70歳, 女性. 既往に大動脈炎症候群(35歳), 大動脈-両側大腿動脈バイパス術, 心外膜ペースメーカ植え込み術(42歳), 冠動脈バイパス術(47歳), 左腎動脈バイパス術(50歳), 右腎動脈ステント留置(60歳), 左乳癌(69歳)がある. 発熱, 左前胸部の乳癌皮膚浸潤付近からの排膿, 出血にて循環器内科へ入院. 頻回の出血で出血性ショックに陥るため集中治療室へ転室. 大動脈造影では上行大動脈からの心外膜ペースメーカリード部に向けて造影剤の漏出を, 胸部CTでは同部位の造影剤の漏出に加え, リード周囲を伝わる造影剤の進展を認めた. これらの所見より大動脈と人工血管の吻合部から心外膜リード周囲のリードポケットへ瘻孔が形成され, そのリードポケットを血液が伝って左前胸部へ出血したものと診断した. また左前胸部にはペースメーカ感染も認めた. ハイリスク患者であり, 開胸手術は施行せずに侵襲の少ないハイブリッド治療を施行. まず吻合部出血に対して血管内治療によるコイル塞栓術を施行. 次にペースメーカ感染には皮膚切開によりジェネレータと一部リードの抜去を行い, さらに乳癌には腫瘍を含む左乳房摘出術を施行した. 術後CTでは瘻孔への造影剤の漏出は消失, 抗生剤継続により炎症は改善した. 難治性左前胸部出血に対し計40単位の赤血球輸血を要したが, 循環器内科, 集中治療室, 放射線科, 心臓血管外科, 乳腺科の集学的治療により救命し得た. 貴重な一例と考え報告する. |
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ISSN: | 1349-8975 |