待機術直前に無症候性大動脈解離をきたしたと思われるMarfan症候群の1例
「緒言」Marfan症候群は常染色体優生遺伝の結合織疾患で, fibrillin-1蛋白遺伝子の変異により, 結合組織異常が生じる. その臨床像は多臓器にわたり, 特に心血管病変が生命予後に直結する. 最重症の大動脈解離(AD)は健常人に比しリスクが高く, ADを回避すべく手術介入の時機を逸しないために, 心血管系の精査を頻回に行うことが重要である. われわれは小児期より頻回にフォローアップしていたMarfan症候群の患者で, 待機手術直前の精査にて無症候性解離が認められた症例を経験した. 「症例」症例:19歳 男性 <現病歴>患児の父がMarfan症候群に伴うADにて突然死した家族歴があり,...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2011, Vol.7(4), pp.179-182 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」Marfan症候群は常染色体優生遺伝の結合織疾患で, fibrillin-1蛋白遺伝子の変異により, 結合組織異常が生じる. その臨床像は多臓器にわたり, 特に心血管病変が生命予後に直結する. 最重症の大動脈解離(AD)は健常人に比しリスクが高く, ADを回避すべく手術介入の時機を逸しないために, 心血管系の精査を頻回に行うことが重要である. われわれは小児期より頻回にフォローアップしていたMarfan症候群の患者で, 待機手術直前の精査にて無症候性解離が認められた症例を経験した. 「症例」症例:19歳 男性 <現病歴>患児の父がMarfan症候群に伴うADにて突然死した家族歴があり, Marfan症候群が疑われ, 1歳時より当院小児科で定期的に経過観察されていた. 10歳頃より大動脈弁輪拡張(AAE)が進行し, 骨格系, 眼, 心血管径, 家族歴・遺伝歴などで診断基準を満たし, Marfan症候群と診断した. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.7.179 |