椎骨動脈解離によるWallenberg症候群

「症例」症例：33歳, 男性 主訴：回転性めまい, 吐き気 家族歴：父 高血圧症 既往歴：特記事項なし 嗜好歴：特記事項なし 現病歴：約1カ月前から, 右後頭部を中心とする拍動性頭痛が出現し, 鎮痛薬で様子を見ていた. 3月某日20時頃, テレビを見ていたら突然, 回転性めまいと吐き気が出現. 6時間ほど, 様子を見ていたが, 改善ないため, 救急車を要請. 当院へ脳卒中疑いで搬送となる. 現症：意識は清明, 血圧138/94mmHg. 心拍数68/分, 体温36.8度, 胸腹部に特記事項なし. 神経学的所見では, 右Horner症候群（縮瞳, 眼裂狭小）, 注視方向性眼振, 右カーテン徴候, 右上肢のバレー徴候陽性, 右上肢の小脳失調, 右顔面と左側の体幹・上下肢の温痛覚障害, 嚥下困難, 嗄声を認めた. 血液生化学, 尿一般検査：特記事項なし. 胸部レントゲン：特記事項なし. 心電図：洞調律 頭部CT（図1. A）：特記すべき異常所見なし.