総胆管結紮による二次性胆汁性肝硬変の急性期および慢性期の循環亢進状態における一酸化窒素合成阻害酵素阻害

「Summary」「背景/目的」: 短命な総胆管結紮肝硬変ラット(CBD)を8週間以上延命可能としたので, 肝硬変性門脈圧亢進症の急性期(4週)と慢性期(8週)の血行動態を比較した. 循環亢進の重要因子である一酸化窒素(NO)産生をNO合成酵素(NOS)阻害剤(L-NAME, 10mg/kg)により抑制しその影響も検討した. 「方法」: 24匹の雄性S-Dラットを用いShamラットとCBDを作製. NOS阻害前と30分後に心係数(CI)と各臓器血流量を測定(リファレンスサンプル法, 141Ce-, 113Sn-マイクロスフェア, 直径15μm), 動脈圧と門脈圧を直接測定した. 「結果」循環亢...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2011, Vol.7 (3), p.138-138
Hauptverfasser: 加藤良人, 勝田悌実, 張雪君, 大須賀勝, 秋元敏雄, 宮元亮子, 古明地弘和, 清水秀治, 水野杏一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「Summary」「背景/目的」: 短命な総胆管結紮肝硬変ラット(CBD)を8週間以上延命可能としたので, 肝硬変性門脈圧亢進症の急性期(4週)と慢性期(8週)の血行動態を比較した. 循環亢進の重要因子である一酸化窒素(NO)産生をNO合成酵素(NOS)阻害剤(L-NAME, 10mg/kg)により抑制しその影響も検討した. 「方法」: 24匹の雄性S-Dラットを用いShamラットとCBDを作製. NOS阻害前と30分後に心係数(CI)と各臓器血流量を測定(リファレンスサンプル法, 141Ce-, 113Sn-マイクロスフェア, 直径15μm), 動脈圧と門脈圧を直接測定した. 「結果」循環亢進状態は肝硬変の進展に伴い増強し, NOS阻害により緩和された. 4週CBDでは貧血がCI増加に寄与し, NOS阻害によるCIの減少率が8週CBDよりも有意に大であった. NOS阻害による門脈領域血流量の減少で4週CBDの門脈系は虚脱した. 4週CBDとは異なり8週CBDはNOS阻害前後とも全身血行動態と内臓循環が密接に関係した. 肝硬変の進展に伴う肝動脈血流量と腎動脈血流量の増加はNOS阻害で前者は影響されず, 後者は完全に抑制された. 「結論」: 8週CBDは門脈圧亢進症に特徴的な血行動態異常を安定的に呈したが, 4週BCDは門脈系が側副路も含めて機能的に不安定で, 貧血の影響も認められた. 以上から8週CBDは門脈圧亢進症モデルとして適当と結論される.
ISSN:1349-8975