P-15)血液培養陽性のグラム染色での推定同定と培養同定の一致率

目的:血液培養のグラム染色像で, 菌種の同定は可能であるかを検討した. 対象および方法:2009年3月~2010年4月までに血液培養で陽性となった培養ボトル1,004本を対象とした. 方法は全自動血液培養検査装置で細菌の発育を認めた培養液のグラム染色を行い, 染色像での推定同定を行った. グラム陽性球菌はStaphylococcus spp, Enterococcus spp, Streptococcus sppに分類した. グラム陰性桿菌は腸内細菌科とブドウ糖非発酵菌に分類した. また, 染色像で鑑別可能であったものは, 菌種レベルの推定まで行った. 結果:グラム染色での推定同定と培養同定と...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2010, Vol.6 (4), p.218-218
Hauptverfasser: 園部一成, 鷲尾洋平, 大川咲奈, 渡部明子, 篠山明宏, 小坂田直美, 中村祐三, 飯野幸永, 本間博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:血液培養のグラム染色像で, 菌種の同定は可能であるかを検討した. 対象および方法:2009年3月~2010年4月までに血液培養で陽性となった培養ボトル1,004本を対象とした. 方法は全自動血液培養検査装置で細菌の発育を認めた培養液のグラム染色を行い, 染色像での推定同定を行った. グラム陽性球菌はStaphylococcus spp, Enterococcus spp, Streptococcus sppに分類した. グラム陰性桿菌は腸内細菌科とブドウ糖非発酵菌に分類した. また, 染色像で鑑別可能であったものは, 菌種レベルの推定まで行った. 結果:グラム染色での推定同定と培養同定との一致率は, Staphylococcus sppで99%(444/448), Enterococcus sppで79%(94/119), Streptococcus sppで76%(38/50), 腸内細菌科で76%(233/307), ブドウ糖非発酵菌で42%(49/117)であった. 菌種レベルの推定同定の特異度は, Pseudomonas aeruginosaで71%(30/42), Acinetobacter baumanniiで56%(10/18), Enterococcus faecalisで44%(11/25)であった. 考察:今回の結果ではブドウ糖非発酵菌で42%と若干低い一致率であったが, その他の分類では76%以上の一致率を認めた. 特に鑑別可能であった菌種では特異度の高い菌種があり, これらの菌種においては, グラム染色像で積極的に報告することで臨床に大いに貢献できると考える.
ISSN:1349-8975