P-11)緩和ケアチームにおける薬剤師のステップアップ:チームの特長を活かした薬物療法支援に向けて

目的:新体制のチーム構築過程で, 主治医や病棟スタッフとの関係, チーム内の協力, 外来立上げなどの問題と向き合う中でチームの特長が見えてきた. チーム内薬剤師は職能を活かした薬物療法支援を発展させるため, 活動を省み, 課題を明確にして今後の方向性とステップアップについて検討した. 対象および方法:2008年度緩和ケアチームの活動を集計・分類し, 薬剤師が直接関与した事例を分析・評価する. 結果:事例557件中, 麻薬用量設定が193件と最も多く, 副作用対策84件, オピオイドローテーション83件, 症状緩和43件, NSAIDs関連42件, 麻薬導入中止37件, 鎮痛補助薬関連33件,...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2010, Vol.6 (4), p.216-217
Hauptverfasser: 加藤あゆみ, 宮田広樹, 輪湖哲也, 須賀理絵, 片山志郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:新体制のチーム構築過程で, 主治医や病棟スタッフとの関係, チーム内の協力, 外来立上げなどの問題と向き合う中でチームの特長が見えてきた. チーム内薬剤師は職能を活かした薬物療法支援を発展させるため, 活動を省み, 課題を明確にして今後の方向性とステップアップについて検討した. 対象および方法:2008年度緩和ケアチームの活動を集計・分類し, 薬剤師が直接関与した事例を分析・評価する. 結果:事例557件中, 麻薬用量設定が193件と最も多く, 副作用対策84件, オピオイドローテーション83件, 症状緩和43件, NSAIDs関連42件, 麻薬導入中止37件, 鎮痛補助薬関連33件, 外来診察に同席し薬剤選択や用量設定に関わった症例18件, 自己疼痛管理法(以下PCA)導入時支援8件, 退院カンファレンス同席2件, 神経ブロック後の麻薬用量設定1件, その他13件だった. 考察:WHO三段階ラダーに沿った疼痛緩和には十分関与できたが, ブロックは麻酔科医師に一任, 在宅移行は入院中薬物療法の申し送りなどが不十分だった. チームの特長として, 1)迅速な除痛のためのPCA導入, 2)硬膜外やくも膜下からの麻薬投与, 3)神経ブロックなどの介入が多い. よって薬剤師の新たな関与としてブロック後除痛時の麻薬過量防止策などが要求される. ブロックや在宅移行に, 薬剤師の積極的な関与を試みている. 今後はこれらの問題により深く介入し, チームの特長を活かした薬物療法支援活動を展開したい.
ISSN:1349-8975