人工心肺後肺障害の研究―人工心肺中低頻度呼吸の肺保護効果
「人工心肺後肺障害とは」開心術など人工心肺を使用する手術では術後の肺障害が問題となる. 本障害は血液ガスや胸部X線写真の異常として出現し術後血行動態異常を引き起こす1-3. さらにAcute Respiratory Distress Syndrome(ARDS)と呼ばれる死亡率50%以上の病態にまで進行することもありその頻度は約2%と言われている4. かつて人工心肺による炎症反応5-7が肺に障害を及ぼす主原因として考えられ, 肺血管内皮の機能障害がその機序の中心とされた8. こうした研究結果を踏まえてこれまで様々な肺保護法も研究されてきた. 当初最も注目されたのは炎症反応によるサイトカインを初...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2010, Vol.6(3), pp.118-126 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「人工心肺後肺障害とは」開心術など人工心肺を使用する手術では術後の肺障害が問題となる. 本障害は血液ガスや胸部X線写真の異常として出現し術後血行動態異常を引き起こす1-3. さらにAcute Respiratory Distress Syndrome(ARDS)と呼ばれる死亡率50%以上の病態にまで進行することもありその頻度は約2%と言われている4. かつて人工心肺による炎症反応5-7が肺に障害を及ぼす主原因として考えられ, 肺血管内皮の機能障害がその機序の中心とされた8. こうした研究結果を踏まえてこれまで様々な肺保護法も研究されてきた. 当初最も注目されたのは炎症反応によるサイトカインを初めとするchemical mediatorの上昇でありこれを抑制・制御することが肺障害を抑制すると考えられてきた. しかしながら, 薬理学的抑制など基礎実験レベルでは様々な方法がその効果を証明されたものの臨床では有意な効果を確認するには至っていない. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.6.118 |