P-62)芍薬甘草湯長期服用により低カリウム血症と横紋筋融解症を来した1例
はじめに:芍薬甘草湯長期服用の副作用として偽アルドステロン血症を呈し, その結果, 低カリウム血症を来すことは広く知られている. 今回, われわれは低カリウム血症と横紋筋融解症を併発した芍薬甘草湯長期服用の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 症例:74歳, 男性. 全身倦怠感, 食欲不振を自覚し, 歩行困難が出現したため本院第三内科外来を受診. 受診時, 血清K値1.5mEq/Lと著明な低K血症およびCK22, 202IU/L, Mb 8,673ng/mLと異常高値を示し, 横紋筋融解症と診断された. 同日入院となったが, 症状および検査値は改善せず, さらに心電図上,...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2009, Vol.5 (4), p.272-272 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに:芍薬甘草湯長期服用の副作用として偽アルドステロン血症を呈し, その結果, 低カリウム血症を来すことは広く知られている. 今回, われわれは低カリウム血症と横紋筋融解症を併発した芍薬甘草湯長期服用の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 症例:74歳, 男性. 全身倦怠感, 食欲不振を自覚し, 歩行困難が出現したため本院第三内科外来を受診. 受診時, 血清K値1.5mEq/Lと著明な低K血症およびCK22, 202IU/L, Mb 8,673ng/mLと異常高値を示し, 横紋筋融解症と診断された. 同日入院となったが, 症状および検査値は改善せず, さらに心電図上, ST低下および心室性期外収縮の頻発が出現したため翌日, 当科へ転科となった. KClの輸液とスピロノラクトン50mg/day内服を開始. その後, 徐々に血清K値が上昇し, 転科5日後KCl内服に変更した. 当科入院後6日目には血清K値は正常化し, 再度内科へ転科となった. 考察:漢方薬は診療科を問わず服用されており, 特に芍薬甘草湯はこむら返りを呈する高齢の整形外科領域の患者に対して高頻度に処方されている. また, 患者の健康意識の高まりに応じて自主的に内服していることも多い. 原因が明らかでない低K血症を認めた場合, 服薬歴の聴取は原因診断に有用となるとともに, 漢方薬の長期内服中の患者に対する定期的な血液検査の施行が重要である. |
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ISSN: | 1349-8975 |