ラット胎仔脳におけるエンドトキシン負荷に対するiNOSmRNAの発現様式
目的:母体が感染などのストレス下におかれた時の胎児のストレスに対する応答については報告が少ない. 近年Nitric Oxide(NO)はストレスに対する視床下部CRH分泌を修飾していると考えられているが, 胎児における働きの詳細はいまだ不明である. 今回われわれはラット胎仔感染モデルを用いてiNOSmRNAの発現およびLipopolysaccharide(LPS)負荷に対する応答様式を検討した. 方法:妊娠20日において胎仔を帝王切開にて娩出させ, 直ちに37℃, 湿度100%のチャンバー内においた. LPS群(n=12)にはLPS(400μg/100g体重)を, 生食群(n=12)には生食を...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2009, Vol.5 (4), p.229-229 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:母体が感染などのストレス下におかれた時の胎児のストレスに対する応答については報告が少ない. 近年Nitric Oxide(NO)はストレスに対する視床下部CRH分泌を修飾していると考えられているが, 胎児における働きの詳細はいまだ不明である. 今回われわれはラット胎仔感染モデルを用いてiNOSmRNAの発現およびLipopolysaccharide(LPS)負荷に対する応答様式を検討した. 方法:妊娠20日において胎仔を帝王切開にて娩出させ, 直ちに37℃, 湿度100%のチャンバー内においた. LPS群(n=12)にはLPS(400μg/100g体重)を, 生食群(n=12)には生食を投与し, さらに3時間保育をした. 帝王切開直後, および保育3時間後に胎仔を断頭し, 胎仔脳をグルタールアルデヒドにて固定し凍結保存をした. 脳の冠状断凍結切片作製後, iNOSについて35S-UTP標識antisense RNA Probeを作製し, in situ hybridization法を施行, その発現をOptical Densityを用い半定量した. さらに両群において血中コルチコステロン値をRIA法にて測定をした. 成績:iNOSmRNAは生食群(娩出直後および3時間後)では発現が認められなかった. 一方LPS群では投与3時間後には脳弓下器官に発現が認められたが, 室傍核には発現がみられなかった. 一方で, 血中コルチコステロン値はLPS群で投与3時間後にはすでに有意に上昇していた. 結論:胎齢20日ラット胎仔では, LPS負荷ストレスに対して視床下部-下垂体-副腎系はすでに作動していた. 胎齢20ラット胎仔においては, iNOSmRNAはLPS負荷に対する視床下部-下垂体-副腎系の急性応答には関与していないことが示唆された. |
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ISSN: | 1349-8975 |