ドナーに対するDextran sulfateおよびSDF-1投与の骨髄生着への効果

造血幹細胞移植において, 造血幹細胞が効率よく骨髄に生着することが重要である. 近年, 造血幹細胞の骨髄生着に種々のケモカインが関与することがわかってきた. 本研究ではケモカインのうちSDF-1と受容体CXCR-4に着目し, マウス骨髄移植実験系(ドナー;GFPマウス, レシピエント;BL/6マウス)を用いて検討した. 移植前処置としてSDF-1分泌因子であるDextran sulfate(Dex), SDF-1を各々ドナーマウスに投与した後に採取した4×105の骨髄単核球を移植した群と, 前処置なしのコントロール群を比較したところ, 移植10日目にDEX, SDF-1投与群では末梢白血球数の...

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Veröffentlicht in:	日本医科大学医学会雑誌 2009, Vol.5 (4), p.228-228
Hauptverfasser:	早川潤, 右田真, 植田高弘, 深沢隆治, 足立久美, 大上由貴, 早川真理, 島田隆, 福永慶隆
Format:	Artikel
Sprache:	jpn
Online-Zugang:	Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:	造血幹細胞移植において, 造血幹細胞が効率よく骨髄に生着することが重要である. 近年, 造血幹細胞の骨髄生着に種々のケモカインが関与することがわかってきた. 本研究ではケモカインのうちSDF-1と受容体CXCR-4に着目し, マウス骨髄移植実験系(ドナー;GFPマウス, レシピエント;BL/6マウス)を用いて検討した. 移植前処置としてSDF-1分泌因子であるDextran sulfate(Dex), SDF-1を各々ドナーマウスに投与した後に採取した4×105の骨髄単核球を移植した群と, 前処置なしのコントロール群を比較したところ, 移植10日目にDEX, SDF-1投与群では末梢白血球数の早期回復とキメラリズムの上昇を認め, 1ヵ月後の骨髄生着率は有意に上昇した. RT-PCR解析によりSDF-1投与群ではMCP1, LPS受容体, DEX投与群ではCXCR4/SDF-1, P-selectin, MCT1などの細胞接着に関連する遺伝子発現が増強されていた. 以上のことより, 移植時のドナーに対するDex, SDF-1投与が骨髄生着を向上することを示すものである.
ISSN:	1349-8975