Vol.76, No.2(2009年4月発行)間質性肺炎患者における, 肺音計により記録された吸気肺音のスペクトル解析の有用性の検討
目的:われわれは間質性肺炎(IP)患者の吸気肺音のスペクトル解析が, IPの診断, 重症度の判定に有用か否かを検討した. 対象・方法:10人の健常者(健常群), 21人のIP患者(IP群)における, 吸気肺音を肺音計(LSA2000(R))に記録し, 高速フーリエ変換を用いて周波数―音圧曲線(ALI)を作成, 最大音圧を持つ周波数(Fmax), 4分位点により求められた周波数(f25, f50, f75)を求めた. これらのデータに基づき, (1)両群で比較し, 4指標と2人の呼吸器医による吸気期のfine crackles(FC)の聴取の有無との間でROC曲線を作成して両群の鑑別能を比較し,...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2009, Vol.5 (2), p.142-142 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:われわれは間質性肺炎(IP)患者の吸気肺音のスペクトル解析が, IPの診断, 重症度の判定に有用か否かを検討した. 対象・方法:10人の健常者(健常群), 21人のIP患者(IP群)における, 吸気肺音を肺音計(LSA2000(R))に記録し, 高速フーリエ変換を用いて周波数―音圧曲線(ALI)を作成, 最大音圧を持つ周波数(Fmax), 4分位点により求められた周波数(f25, f50, f75)を求めた. これらのデータに基づき, (1)両群で比較し, 4指標と2人の呼吸器医による吸気期のfine crackles(FC)の聴取の有無との間でROC曲線を作成して両群の鑑別能を比較し, (2)IP群において4指標と肺機能(%肺活量, 一秒率, %肺拡散能)間および, 3人の呼吸器医によって求められた肺高分解能CTにて蜂巣肺の広がりを示すスコア(FS)間との相関を求めた. 結果:IP群においてf50とf75が有意に高かったが, 鑑別能は聴診に劣っていた. f25, f50, f75は%肺活量と負相関を示し, f50, f75はFSと正相関を示した. 考察:上記の原因としてFCの存在, 肺線維化による肺の音響伝導性の変化が考えられ, 改善の余地はあるものの肺音のスペクトル解析が間質性肺炎の診断, 重症度判定に有用となり得ることが示唆された. |
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ISSN: | 1349-8975 |