P-62)超音波造影剤ペルフルブタンマイクロバブル製剤(ソナゾイド)の使用経験

背景:ソナゾイドは肝腫瘤性病変の造影を目的した超音波造影剤である. 本剤懸濁液を静脈内投与すると肺血管床を通過して肝臓に至り, 肝臓のクッパー細胞に取り込まれるので正常肝組織と腫瘤性病変の判別や癌の栄養血管を知る有効な手段となる. 2007年に「超音波検査における肝腫瘤性病変の造影」を適応として承認された. 目的:当施設における使用経験をもとにソナゾイドの有用性と安全性を検討した. 対象および方法:2007年7月から2008年6月までに肝腫瘤性病変の診断目的で造影検査が施行された50例(男性23名, 女性27名)を対象とした. 結果:基礎疾患は肝硬変29例, 慢性肝炎13例, アルコール性肝炎...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2008, Vol.4 (4), p.258-258
Hauptverfasser: 中村利枝, 見友優子, 田尾清一, 関野玲子, 水瀬学, 松崎つや子, 斉藤公一, 本間博, 古明地弘和, 宮元亮子, 清水秀治, 勝田悌実, 水野杏一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:ソナゾイドは肝腫瘤性病変の造影を目的した超音波造影剤である. 本剤懸濁液を静脈内投与すると肺血管床を通過して肝臓に至り, 肝臓のクッパー細胞に取り込まれるので正常肝組織と腫瘤性病変の判別や癌の栄養血管を知る有効な手段となる. 2007年に「超音波検査における肝腫瘤性病変の造影」を適応として承認された. 目的:当施設における使用経験をもとにソナゾイドの有用性と安全性を検討した. 対象および方法:2007年7月から2008年6月までに肝腫瘤性病変の診断目的で造影検査が施行された50例(男性23名, 女性27名)を対象とした. 結果:基礎疾患は肝硬変29例, 慢性肝炎13例, アルコール性肝炎4例, 脂肪肝1例, その他6例であった. 肝臓癌の精査・診断目的が36例, 治療効果判定に6例, スクリーニング7例, 造影超音波ガイド下ラジオ波焼灼術1例であった. 血管イメージングで40例(80%), クッパーイメージングで45例(90%)が造影CTおよび血管造影と一致した. early HCC(5例)や転移性肝癌(1例)の判別に有用であった. 有害事象発現はなかった. 考察:血管イメージング後にクッパーイメージングを観察するなど, 両イメージングを使い分け, 造影CTや血管造影などの所見と併せることにより診断精度が向上すると考えられた. 診断の不一致例については病変位置, 背景肝の状況, 肥満などが原因として考えられた.
ISSN:1349-8975