心臓血管外科領域における小口径溝型シリコン製ドレーンチューブの吸引能に対する実験的検討―従来型胸腔ドレーンチューブとの比較

「緒言」心臓手術後の縦隔・心嚢または胸腔ドレナージは出血のモニター, 心タンポナーデの予防, 緊張性気胸, 胸水貯留の予防などの目的で必要不可欠である. 従来使用されている先端に側孔の開いている28Fまたは32Fの硬いプラスティック製ドレーンチューブでは1, 刺入部の痛みのために浅呼吸となり無気肺の原因となったり, 歩行制限が生じたりするという問題点がある. 近年心臓外科領域でも低侵襲化の普及とともに溝型で小径の柔らかいシリコン製ドレーンチューブが広く使用されるようになってきている. 臨床的には刺入部や抜去時の疼痛の軽減, 携帯バッグに接続することで早期離床が可能となること, ドレナージ能力も...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2008, Vol.4(2), pp.88-96
Hauptverfasser: 田畑, 美弥子, 梅津, 光生, 落, 雅美, 清水, 一雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」心臓手術後の縦隔・心嚢または胸腔ドレナージは出血のモニター, 心タンポナーデの予防, 緊張性気胸, 胸水貯留の予防などの目的で必要不可欠である. 従来使用されている先端に側孔の開いている28Fまたは32Fの硬いプラスティック製ドレーンチューブでは1, 刺入部の痛みのために浅呼吸となり無気肺の原因となったり, 歩行制限が生じたりするという問題点がある. 近年心臓外科領域でも低侵襲化の普及とともに溝型で小径の柔らかいシリコン製ドレーンチューブが広く使用されるようになってきている. 臨床的には刺入部や抜去時の疼痛の軽減, 携帯バッグに接続することで早期離床が可能となること, ドレナージ能力も臨床的には劣らないなどの長所が報告されている2-9. このシリコン製ドレーンチューブに関する研究はほとんどが臨床例であり, 同一条件での比較・評価が行われていない. そこで本論文では素材やサイズ, 形状の異なるドレーンチューブを生体外での定常流試験, 可視化試験, さらに動物実験を行うことにより比較・評価することを目的とした.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.4.88