当科における臍帯異常と妊娠予後の検討
「緒言」臍帯異常を原因とした子宮内胎児死亡や胎児機能不全の機序や罹患率に関しては, いまだ不明なところが多い. 今回, 臍帯頸部巻絡, 臍帯真結節および単一瞬帯動脈の3つの臍帯異常を併発した単胎妊娠の子宮内胎児死亡例を経験したことから, これらの臍帯異常と胎児, 新生児予後の関係について自験例をもとに後方視的検討を行なったので報告する. 「症例」症例は26歳. 初回の妊娠で, 既往歴および家族歴に特記すべきことはなし. 初診より当院にて妊婦健診を行ない, 妊娠経過中に妊娠高血圧症候群等の異常所見は認められなかった. 妊娠36週の妊婦健診時の超音波断層法検査による胎児推定体重は2,600(正常範...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2007, Vol.3(1), pp.20-24 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」臍帯異常を原因とした子宮内胎児死亡や胎児機能不全の機序や罹患率に関しては, いまだ不明なところが多い. 今回, 臍帯頸部巻絡, 臍帯真結節および単一瞬帯動脈の3つの臍帯異常を併発した単胎妊娠の子宮内胎児死亡例を経験したことから, これらの臍帯異常と胎児, 新生児予後の関係について自験例をもとに後方視的検討を行なったので報告する. 「症例」症例は26歳. 初回の妊娠で, 既往歴および家族歴に特記すべきことはなし. 初診より当院にて妊婦健診を行ない, 妊娠経過中に妊娠高血圧症候群等の異常所見は認められなかった. 妊娠36週の妊婦健診時の超音波断層法検査による胎児推定体重は2,600(正常範囲:2,060~2,860)gで, 羊水指数は16(Amniotic Fluid Index;6.8~27.9)と正常であった. 妊娠40週6日の未明からの胎動感消失を主訴として同日の産科外来を受診し, 腹部超音波検査にて胎児心拍を認めず, 子宮内胎児死亡と診断され同日緊急入院となった. 入院時所見として, 血圧は112/83mmHg, 尿蛋白定性検査は陰性で, (下肢を含めた)全身に浮腫を認めず妊娠高血圧症候群は否定された. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.3.20 |