P-39)血漿交換が有効であったHELLP症候群の1例

今回われわれは, HELLP症候群によるDIC, 急性腎不全の病態にたいして, 発症後早期の血漿交換が奏効した1例を経験したので報告する. 症例は, 35歳. 0経0産. 既往歴, 家族歴は特にはない. 近医にて妊婦検診を受けており, 特に異常を認めなかった. 妊娠37週5日陣痛発来を主訴に近医を受診. 血圧220/119mmHg, 脈拍数90/分となり, 妊娠高血圧症候群の診断のもと, 同日緊急帝王切開術となった. 新生児は, 体重2,432g, 女児. Apgar Score9→10であった. 帝切後も, 血圧120~190/90~120mmHgと安定せず, 術後5時間で一過性の意識消失発...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2006, Vol.2 (4), p.261-261
Hauptverfasser: 菊池芙美, 磯崎太一, 三浦敦, 大内望, 石川源, 澤倫太郎, 竹下俊行, 岩崎雄樹, 村井綱児, 高野照夫, 原啓子, 金子朋広, 片山泰朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回われわれは, HELLP症候群によるDIC, 急性腎不全の病態にたいして, 発症後早期の血漿交換が奏効した1例を経験したので報告する. 症例は, 35歳. 0経0産. 既往歴, 家族歴は特にはない. 近医にて妊婦検診を受けており, 特に異常を認めなかった. 妊娠37週5日陣痛発来を主訴に近医を受診. 血圧220/119mmHg, 脈拍数90/分となり, 妊娠高血圧症候群の診断のもと, 同日緊急帝王切開術となった. 新生児は, 体重2,432g, 女児. Apgar Score9→10であった. 帝切後も, 血圧120~190/90~120mmHgと安定せず, 術後5時間で一過性の意識消失発作を認めた. また, 術後乏尿の状態(少量の暗褐色尿)が続いたため, 同日全身管理, 治療目的で当院に紹介入院となった. 入院時, 患者は傾眠傾向で, 術創部皮下に出血斑を認め, 子宮底は臍上1横指. 悪露は赤色, 中等量. 眼瞼結膜は白色, 貧血様で, 眼球結膜に黄疸を認めた. 尿は暗褐色でごく少量であった. 血液検査所見等より, HELLP症候群によるDIC, 急性腎不全(BUN24.4mg/dl, Cre2.18mg/dl)の診断となり, 全身管理目的で集中治療室へ転室となった.
ISSN:1349-8975