P-38)反復子宮筋腫核出術後妊娠30週で子宮破裂を発症するも,母児ともに救命し得た1症例
子宮破裂は分娩時, まれに妊娠末期に数千例に1例発症し, 胎児死亡のみならず母体死亡にも至り, 迅速な対応が要求される産科救急疾患である. 今回われわれは妊娠30週0日に突然発症するも, 母児ともに救命し得た全子宮破裂の症例を経験したので報告する. 症例は32歳, 未経妊. 既往歴として, 27歳, 29歳時に開腹子宮筋腫核出術, 30歳時に開腹子宮筋腫核出術(レーザー蒸散法)を実施. 近医より, 妊娠25週2日, 反復子宮筋腫核出術後, 全前置胎盤のため当科紹介受診, 以後当科にて妊婦検診. 妊娠30週0日, 下腹部痛のため来院. 胎児機能は良好であったが右下腹部に圧痛を認めたため精査目的の...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2006, Vol.2 (4), p.261-261 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 子宮破裂は分娩時, まれに妊娠末期に数千例に1例発症し, 胎児死亡のみならず母体死亡にも至り, 迅速な対応が要求される産科救急疾患である. 今回われわれは妊娠30週0日に突然発症するも, 母児ともに救命し得た全子宮破裂の症例を経験したので報告する. 症例は32歳, 未経妊. 既往歴として, 27歳, 29歳時に開腹子宮筋腫核出術, 30歳時に開腹子宮筋腫核出術(レーザー蒸散法)を実施. 近医より, 妊娠25週2日, 反復子宮筋腫核出術後, 全前置胎盤のため当科紹介受診, 以後当科にて妊婦検診. 妊娠30週0日, 下腹部痛のため来院. 胎児機能は良好であったが右下腹部に圧痛を認めたため精査目的のため入院を決定. 病室への移動中に下腹部痛は突然増強, ショック状態となり, 腹部超音波診断にて常位胎盤早期剥離を疑い, 全身麻酔下で緊急帝王切開を実施. 開腹時腹腔内に多量の凝血塊を認め, 胎児は卵膜に包まれた状態で子宮外に脱出していた. 子宮は前壁に20cm程度の破裂創を認め, 子宮筋層の一部は欠損し奨膜のみで保持されていた. このため, 子宮の形成および修復術を実施した. 術中総出血量は2,400g. 術後経過は良好, 術後11日目に退院となった. 児は1244g女児, Apgar scoreは1分後0点, 5分後1点, 13分後8点. 臍帯動脈血液ガスpHは6.631. 蘇生に成功後NICUへ入院, 短期的な経過良好のため日齢86日目に退院となった. |
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ISSN: | 1349-8975 |