13)気管支ファイバー施行中に発症し,冠動脈血栓吸引により救命し得た重症心筋梗塞の1例
78歳女性. 平成15年5月21日, 肺野異常陰影精査のための気管支ファイバー施行中に胸痛出現, 検査終了時ショックとなる. 心電図で完全房室ブロックと, II, III, aVFならびにV1-3誘導でST上昇を認め, 心エコー検査では広範な左室壁運動低下. 急性心筋梗塞によるショックと診断し補液, 薬剤に加え一時的心臓ペーシング, 大動脈内バルーンパンピング(IABP)補助下に緊急冠動脈造影を施行. 右冠動脈に大量血栓を認め, 血栓吸引により25%狭窄とするもno reflowとなる. また左前下行枝にも血栓によると思われるslow flowを認めた. 血圧回復せず, 経皮的心肺補助装置(P...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2004, Vol.71 (3), p.236-236 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 78歳女性. 平成15年5月21日, 肺野異常陰影精査のための気管支ファイバー施行中に胸痛出現, 検査終了時ショックとなる. 心電図で完全房室ブロックと, II, III, aVFならびにV1-3誘導でST上昇を認め, 心エコー検査では広範な左室壁運動低下. 急性心筋梗塞によるショックと診断し補液, 薬剤に加え一時的心臓ペーシング, 大動脈内バルーンパンピング(IABP)補助下に緊急冠動脈造影を施行. 右冠動脈に大量血栓を認め, 血栓吸引により25%狭窄とするもno reflowとなる. また左前下行枝にも血栓によると思われるslow flowを認めた. 血圧回復せず, 経皮的心肺補助装置(PCPS)を併用し集中治療室に入室. 入室後徐々に血圧は回復, 左室壁運動も著明に改善した. 第3病日にはPCPSから, 第4病日にはIABPから離脱し, 第17病日に一般病棟に転室した. なお, 肺病変は扁平上皮癌と診断された. 気管支ファイバー検査施行中の合併症の一つに虚血性心疾患をはじめとする心血管障害が報告されているが, 急性心筋梗塞発症は比較的まれである. 一方, 本検査施行中には胸部不快感を訴える場合も多く, 心電図モニターなどの監視システムが必要と考えられたので報告する. |
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ISSN: | 1345-4676 |