HERCEP TESTにおける特異な染色様式を契機に見出された神経内分泌成分を含む乳癌の1例 ―自験例と文献的考察
Hercep Test(DAKO)(以下HTと略す)は進行性乳癌に対する治療薬抗HER-2ヒト化単クローン抗体Trastuzumab(Herceptin)の適応例を選択するために開発された免疫組織学的検出法である. 癌遺伝子HER-2/neu(以下HER2)は細胞膜貫通型蛋白をコードし, 細胞増殖や分化に関与するとされ, HER2蛋白の腫瘍細胞膜における過剰発現の有無を半定量的に検索する. 乳癌では25~30%の症例でHER2蛋白の過剰発現が認められ1, これらの症例では予後不良, ホルモン療法への抵抗性なども報告されている2. 今回, 本検査施行中に特異な染色様式を呈し, その後の検索により...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2004, Vol.71(3), pp.203-208 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Hercep Test(DAKO)(以下HTと略す)は進行性乳癌に対する治療薬抗HER-2ヒト化単クローン抗体Trastuzumab(Herceptin)の適応例を選択するために開発された免疫組織学的検出法である. 癌遺伝子HER-2/neu(以下HER2)は細胞膜貫通型蛋白をコードし, 細胞増殖や分化に関与するとされ, HER2蛋白の腫瘍細胞膜における過剰発現の有無を半定量的に検索する. 乳癌では25~30%の症例でHER2蛋白の過剰発現が認められ1, これらの症例では予後不良, ホルモン療法への抵抗性なども報告されている2. 今回, 本検査施行中に特異な染色様式を呈し, その後の検索により神経内分泌(以下NEと略す)成分を含む浸潤性乳管癌であることが判明した乳癌症例を経験したので若干の文献的考察を含め報告する. 症例 84歳, 女性. 家族歴:両親:肺結核. 既往歴:72歳:胆石症にて胆嚢切除術. 現病歴:右乳腺D領域の腫瘤を主訴に平成14年7月23日当院外科を受診した. 超音波検査にて, 形状不整で辺縁は粗雑, 境界エコーの肥厚, 内部エコーは不均一, 後方エコーの減弱が見られ, マンモグラフィーでは右D領域に2.2×1.5cmの腫瘤を認め, 多角形で辺縁は微細鋸歯状, 内部は高濃度で石灰化像を伴わず, 悪性が示唆される所見であった(図1). |
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ISSN: | 1345-4676 1347-3409 |
DOI: | 10.1272/jnms.71.203 |