頸椎症と診断されていた慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)の症例
症例は52歳女性. 平成13年10月上旬より右手指先端シビレ感出現, 近医受診し頸椎症と診断されるも保存的治療にて改善なく, 11月には両上下肢にシビレ感が拡大, 巧緻運動障害, 筋力低下も出現した. MRI上C5/6間に強度の脊柱管狭窄を認めたため翌年3月28日脊柱管拡大術を施行された. しかし5月下旬より更に四肢筋力が悪化し, 頸椎症のみでは症状の説明は困難であり, 神経内科的疾患が疑われたため7月5日当科入院. 入院時四肢筋力の著明な低下認め歩行不可, 四肢深部反射消失, 四肢末端のシビレ感あり. 髄液中蛋白細胞解離を認めた. 末梢神経伝導検査にて2本以上の神経で脱髄性神経伝導所見を確認...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は52歳女性. 平成13年10月上旬より右手指先端シビレ感出現, 近医受診し頸椎症と診断されるも保存的治療にて改善なく, 11月には両上下肢にシビレ感が拡大, 巧緻運動障害, 筋力低下も出現した. MRI上C5/6間に強度の脊柱管狭窄を認めたため翌年3月28日脊柱管拡大術を施行された. しかし5月下旬より更に四肢筋力が悪化し, 頸椎症のみでは症状の説明は困難であり, 神経内科的疾患が疑われたため7月5日当科入院. 入院時四肢筋力の著明な低下認め歩行不可, 四肢深部反射消失, 四肢末端のシビレ感あり. 髄液中蛋白細胞解離を認めた. 末梢神経伝導検査にて2本以上の神経で脱髄性神経伝導所見を確認した. 以上よりCIDPと診断, IVIg0. 4g/kg/日×5日間投与, ステロイド1mg/kg/日内服開始. IVIg投与4週目より徐々に症状が改善, 最終的には自力歩行可能となり退院となった. 本症例のように頸椎症とCIDPでは臨床的に類似した症状をあらわすことがあり, 頸椎症が疑われる症例においても慢性進行性な場合にはCIDPも鑑別のひとつとして念頭においておく必要があろう. |
---|---|
ISSN: | 1345-4676 |