胃切除患者におけるクリニカルパスの臨床的意義

診断や治療から回復にいたる全ての患者ケアは従来医師の指示により行われてきた. 米国では1983年より医療費の定額支払い制度DRG/PPSが導入され, 在院期間の短縮と入院費用の削減ならびに患者満足度の向上を目標としてクリニカルパス(パス)が用いられている1)2). わが国でも臨床現場における医療従事者の協調性の向上や患者中心の医療の展開と患者満足度の向上のためにパスが導入されてきた3). 消化器関連では2001年DDW-Japan(日本消化器病学会合同パネルディスカッション)ではじめて取り上げられ大学病院の約60%にしか導入されていないこと, 2002年第74回日本胃癌学会でもワークショップ「...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2003, Vol.70(3), pp.263-269
Hauptverfasser: 木山, 輝郎, 田尻, 孝, 吉行, 俊郎, 三橋, 恭子, 伊勢, 雄也, 水谷, 崇, 奥田, 武志, 藤田, 逸郎, 増田, 剛太郎, 加藤, 俊二, 松倉, 則夫, 徳永, 昭, 長谷川, 幸子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:診断や治療から回復にいたる全ての患者ケアは従来医師の指示により行われてきた. 米国では1983年より医療費の定額支払い制度DRG/PPSが導入され, 在院期間の短縮と入院費用の削減ならびに患者満足度の向上を目標としてクリニカルパス(パス)が用いられている1)2). わが国でも臨床現場における医療従事者の協調性の向上や患者中心の医療の展開と患者満足度の向上のためにパスが導入されてきた3). 消化器関連では2001年DDW-Japan(日本消化器病学会合同パネルディスカッション)ではじめて取り上げられ大学病院の約60%にしか導入されていないこと, 2002年第74回日本胃癌学会でもワークショップ「胃癌とクリニカルパス」が検討されるなど, パスはまだ歴史の浅い分野である. 当科では2000年8月より幽門側胃切除患者を対象として過去6ヵ月間の平均から術後ケアの日程を検討し, 看護部を中心に外科医, 薬剤師, 栄養士によりパスを作成した(第1世代のパス)4). その後, 同じ術後経過をたどる胃全摘術や噴門側胃切除にもパスを適応拡大した. 2001年1月術後管理の見直しと印刷した補液などのオーダーセットによりケアの標準化を行った(第2世代のパス). そこで, 標準化した術後ケアを行うパスの臨床上の意義について検討した.
ISSN:1345-4676
1347-3409
DOI:10.1272/jnms.70.263