P-73)穿刺吸引細胞診判定不能例について

目的:穿刺吸引細胞診(aspiration biopsy cytology:ABC)検体の推移と, 判定不能例の検討. 対象と方法:過去10年間のABC検体の推移と, 2000年1月~2002年6月までの2年6ヵ月間のABC判定不能例を採取部位別に検討した. 結果:1995年まで総ABC数は年間600件程度であったのを境に1996年に700件となり, それ以降は800~900件以上となった. 判定不能例は2,312件中444件19.2%(乳腺774件中230件29.7%, 甲状腺569件中51件9.0%, リンパ節279件中55件19.8%, 骨軟部201件中29件14.4%, 唾液腺138件...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69 (6), p.656-656
Hauptverfasser: 松原美幸, 釜口晴美, 尾崎正行, 佐藤春明, 村瀬幸宏, 浅川一枝, 永井祥子, 佐竹あかね, 渡會泰彦, 田村浩一, 杉崎祐一, 川本雅司, 横山宗伯, 内藤善哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:穿刺吸引細胞診(aspiration biopsy cytology:ABC)検体の推移と, 判定不能例の検討. 対象と方法:過去10年間のABC検体の推移と, 2000年1月~2002年6月までの2年6ヵ月間のABC判定不能例を採取部位別に検討した. 結果:1995年まで総ABC数は年間600件程度であったのを境に1996年に700件となり, それ以降は800~900件以上となった. 判定不能例は2,312件中444件19.2%(乳腺774件中230件29.7%, 甲状腺569件中51件9.0%, リンパ節279件中55件19.8%, 骨軟部201件中29件14.4%, 唾液腺138件中19件13.8%, その他の腫瘍穿刺351件中60件17.1%)であった. 判定不能の主な理由は, 血液のみ脂肪組織のみ上皮成分が2~3個などであった. 考察:諸家の報告によると, ABCにおける判定不能例は10%以下が望ましいとされているが, 今回の検討では甲状腺以外は10%以上の結果となった. 腫瘍が小さい線維化が強い等検体に起因する場合もあるが, 穿刺施行医の技術的な問題が大きな要因となっている可能性もある. 大学病院と言う特殊性のため多種多様なcaseの対応を強いられ採取の困難性も考えられるが, 今後の課題は, 14~30%ある判定不能例を10%以下に抑えることである. そのためには病理/臨床双方のディスカッションを含め細胞採取技術の向上をはかり, 更なる診断精度の向上につなげたい.
ISSN:1345-4676