P-33)若年者胃癌の1例とその病変の特性
はじめに:若年性胃癌は39歳以下の胃癌として定義されているものが多い. 今回, 吐血にて当院に搬送され, 上部消化管内視鏡検査で発見された若年性胃癌を経験したので文献的思考を加えて報告する. 症例:20歳, 女性. 現病歴と経過:約1年前から胃部不快感を認めていたが放置していた. 早朝に誘因なく吐血があり当院に搬送された. 上部消化管緊急内視鏡検査を施行したところ, 胃体上部小彎側に鶏卵大の潰瘍性病変が見られ底に露出血管を伴っていた. エタノール局注を行い, 止血処置を行った. その後, 約3週間にわたり上部消化管内視鏡検査でのフォローアップを継続していた. 潰瘍性病変は, 一部に輪郭不整な部...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69 (6), p.645-645 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに:若年性胃癌は39歳以下の胃癌として定義されているものが多い. 今回, 吐血にて当院に搬送され, 上部消化管内視鏡検査で発見された若年性胃癌を経験したので文献的思考を加えて報告する. 症例:20歳, 女性. 現病歴と経過:約1年前から胃部不快感を認めていたが放置していた. 早朝に誘因なく吐血があり当院に搬送された. 上部消化管緊急内視鏡検査を施行したところ, 胃体上部小彎側に鶏卵大の潰瘍性病変が見られ底に露出血管を伴っていた. エタノール局注を行い, 止血処置を行った. その後, 約3週間にわたり上部消化管内視鏡検査でのフォローアップを継続していた. 潰瘍性病変は, 一部に輪郭不整な部分が出現し, 送気において易出血性であった. 肉眼的には進行胃癌BorrmannIII型を呈し, 病理所見ではgroupV(低分化型癌+印環細胞癌)と診断された. 手術目的で外科に転科され, 胃全摘出術が行われた. 手術時の切除胃や腹水からも印環細胞癌が認められた. その後, 癌性腹膜炎による腹水貯留がみられ, 抗癌剤による治療も行われている. 考察:胃検診の普及に伴い, 若年者胃癌において早期癌の割合が増加している. 今回の症例は, 進行胃癌で発見されBorrmannIII型を呈し, 組織型は低分化型のものであった. 胃全摘出術をするも, 癌性腹膜炎を併発していることなども考えると, 腹部愁訴が出現した際に, 直ちに病院を受診し内視鏡検査を受ける必要があったと思われる. |
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ISSN: | 1345-4676 |