9)老年者における心拍変動解析の臨床的有用性:糖尿病合併症の面からの検討

目的:我々は, 老年者糖尿病おける心拍変動解析は年齢の影響が大きく臨床的有用性に乏しいことを報告した. 今回, 体位変換による心拍変動解析の有用性につき検討を行った. 方法:対象は, 2001年から2002年の間に当科を受診した79例(男性30例, 女性49例;平均年齢68.1±9.8歳)である. フラクレット(大日本製薬(株)製)を用いて心拍ゆらぎのウェーブレット解析を行い, 交感神経成分(LF/HF), 副交感神経成分(HF)の活性度合いを, 安静臥床時および立位変化時(立位)において検討した. 結果:(1)HbAlc値との相関は, 安静時立位のHFLF/HFおよびその対数変換値のいずれと...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69 (6), p.629-629
Hauptverfasser: 山田宰弘, 松村典昭, 吉松寛臣, 猪狩吉雅, 渡辺健太郎, 岡崎恭次, 鈴木達也, 中野博司, 大庭建三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:我々は, 老年者糖尿病おける心拍変動解析は年齢の影響が大きく臨床的有用性に乏しいことを報告した. 今回, 体位変換による心拍変動解析の有用性につき検討を行った. 方法:対象は, 2001年から2002年の間に当科を受診した79例(男性30例, 女性49例;平均年齢68.1±9.8歳)である. フラクレット(大日本製薬(株)製)を用いて心拍ゆらぎのウェーブレット解析を行い, 交感神経成分(LF/HF), 副交感神経成分(HF)の活性度合いを, 安静臥床時および立位変化時(立位)において検討した. 結果:(1)HbAlc値との相関は, 安静時立位のHFLF/HFおよびその対数変換値のいずれとも相関しなかった. (2)網膜症の程度別には, 立位LF/HFの対数変換値およびLF/HFの臥位から立位への変化率が増殖期網膜症例で有意に低値であった. (3)神経症の程度別では, 立位LF/HFの対数変換値およびLF/HFの臥位から立位への変化率が, 糖尿病非合併例に比し糖尿病例で有意に低値であったが, 糖尿病例の中では, 神経症の重症度別に差はなかった. 結論:老年者糖尿病におけるフラクレット解析では, 立位変換による交感神経への影響により細小血管症を検出できる可能性を示唆する成績を得た.
ISSN:1345-4676