8)線形モデルによる診療内容解析の試み:頭部MRIにおける検討

診断とは, 未来の予測である. 予測に基づき医療計画を立て, 実行し, 出来高払い保険ではその結果請求を行う. 従って検査所見から請求点数が予測できるはずである. 対象方法:対象は2002年4月に頭部MRI検査を施行した261例. 画像診断レポート内容を説明変数, 2002年4月, 5月の請求点数の合計を被説明変数とし, 線形モデルによる重回帰分析を行った. 説明変数の内訳は, 適応カテゴリー変数:保険請求上の主病名と検査部位との一致(ダミー変数), 診断カテゴリー変数:レポート結論に正常, 脳血管疾患, 梗塞, 出血, 腫瘍, 外傷に該当するkeywordの抽出(ダミー変数), 重症度変数:...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69 (6), p.629-629
Hauptverfasser: 伊藤公一郎, 隈崎達夫, 山下精彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:診断とは, 未来の予測である. 予測に基づき医療計画を立て, 実行し, 出来高払い保険ではその結果請求を行う. 従って検査所見から請求点数が予測できるはずである. 対象方法:対象は2002年4月に頭部MRI検査を施行した261例. 画像診断レポート内容を説明変数, 2002年4月, 5月の請求点数の合計を被説明変数とし, 線形モデルによる重回帰分析を行った. 説明変数の内訳は, 適応カテゴリー変数:保険請求上の主病名と検査部位との一致(ダミー変数), 診断カテゴリー変数:レポート結論に正常, 脳血管疾患, 梗塞, 出血, 腫瘍, 外傷に該当するkeywordの抽出(ダミー変数), 重症度変数:レポート所見文字数, とした. 各変数に対する回帰係数, 自由度補正寄与率R'2を算出した. 結果:切片は10, 825点, 回帰係数に対する検定上t>2を有意とした場合, 各係数は腫瘍=73,719(t=5.2), 梗塞=50,963(t=3.4), 所見文字数=233(t=3.3)であった. 自由度補正寄与率R'2=0.23であった. また主病名に対する検査のみを抽出した場合(n=165), 自由度補正寄与率R'2=0.33に向上した. 考察:寄与率が低い原因として, 説明変数の不足や病名別請求点数データの欠如が挙げられた. 診療情報の数理的解析により, クリティカルパスの設定や病院管理に利用できる可能性があり, 電子カルテ導入に際し検討すべき項目と考えられる.
ISSN:1345-4676