14)ドクターヘリ搬送により早期完全血行再建に成功し心原性ショックを回避し得た急性心筋梗塞再発症の1例
症例:69歳男性. 主訴は前胸部痛. 既往歴:43歳で胃亜全摘(胃癌), 64歳で急性心筋梗塞(AMI)発症し, 左前下行枝近位部の完全閉塞にステント挿入し退院, 以後通院せず. 家族歴に特記事項なし. 現病歴:平成14年4月6日午前9:00白井市で事務仕事中に突然主訴が出現. 9:13救急車到着時には冷汗とチアノーゼ著明. 9:23ドクターヘリ要請, 9:31ヘリ着陸し初療開始後, 9:51当院救急外来収容. 意識清明, 冷汗チアノーゼ著明. 血圧112/60mmHg, 脈拍83/分整, 心電図でII, III, aVFのST上昇, 胸部X線で心拡大と肺うっ血を認めた. 生化学的マーカーは陰...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69 (4), p.400-400 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例:69歳男性. 主訴は前胸部痛. 既往歴:43歳で胃亜全摘(胃癌), 64歳で急性心筋梗塞(AMI)発症し, 左前下行枝近位部の完全閉塞にステント挿入し退院, 以後通院せず. 家族歴に特記事項なし. 現病歴:平成14年4月6日午前9:00白井市で事務仕事中に突然主訴が出現. 9:13救急車到着時には冷汗とチアノーゼ著明. 9:23ドクターヘリ要請, 9:31ヘリ着陸し初療開始後, 9:51当院救急外来収容. 意識清明, 冷汗チアノーゼ著明. 血圧112/60mmHg, 脈拍83/分整, 心電図でII, III, aVFのST上昇, 胸部X線で心拡大と肺うっ血を認めた. 生化学的マーカーは陰性であったがAMIと診断し緊急冠動脈造影施行. 右冠動脈起始部の完全閉塞と, 左前下行枝ステント内99%狭窄を認めた. 右冠動脈にはNIRステントを直接挿入し(発症後2時間), 左前下行枝ステント内狭窄はバルーン高圧拡張のみで再建. 発症後2時間30分で完全血行再建に成功した. 大動脈内バルーンパンピングと体外式ペースメーカーを準備したが, 経過良好のため導入しなかった. 考察:本症例は陳旧性前壁心筋梗塞に下壁梗塞を発症しており心原性ショックが予想されたが, ドクターヘリ使用による迅速な搬送と初期治療ならびに早期再灌流によりこれを回避し得た. CCUネットワークの完備されていない千葉県において, 当院での新しいAMI治療戦略となり得ると考え報告する. |
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ISSN: | 1345-4676 |