11)高齢者糖尿病における自律神経機能検査(ウエイブレット解析)の臨床的有用性
目的:自律神経機能は加齢とともに減弱することが知られている, 一方糖尿病も老年者で高率となるが, 老年者における糖尿病性神経症の指標としての自律神経機能検査の有用性についての報告はなく, 今回糖尿病性網膜症を指標として, この点を検討した. 方法:対象は60歳から81歳の2型糖尿病患者男女合計31例である(男/女=12/19;69.5±54歳). 全例に, 早朝空腹時にウエイブレット解析を行い, 高周波成分(HF)を副交感神経の指標, 低周波成分(LF)をHFで除したもの(LF/HF)を交感神経の指標とし, 糖尿病性網膜症との関連の面から検討した. 結果:(1)年齢, 体格指数, HbAl,...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69 (4), p.399-399 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:自律神経機能は加齢とともに減弱することが知られている, 一方糖尿病も老年者で高率となるが, 老年者における糖尿病性神経症の指標としての自律神経機能検査の有用性についての報告はなく, 今回糖尿病性網膜症を指標として, この点を検討した. 方法:対象は60歳から81歳の2型糖尿病患者男女合計31例である(男/女=12/19;69.5±54歳). 全例に, 早朝空腹時にウエイブレット解析を行い, 高周波成分(HF)を副交感神経の指標, 低周波成分(LF)をHFで除したもの(LF/HF)を交感神経の指標とし, 糖尿病性網膜症との関連の面から検討した. 結果:(1)年齢, 体格指数, HbAl, 値, 尿アルブミン指数の平均値は, 糖尿病性網膜症の合併の有無別に差はなかった. (2)神経症状の有無別には, LF/HFに差はなかったが, 有神経症状例でHFは有意に低下していた. (3)糖尿病性網膜症の合併の有無別には, HFおよびLF/HFのいずれも差はなかった. 結論:老年者においては, 糖尿病の神経症の指標として自律神経機能を用いるのは不適と考えられた. 同時に, 老年者で神経症状を有する例においては, 自律神経障害を合併する可能性も示唆された. |
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ISSN: | 1345-4676 |