Argon Plasma Coagulation (APC) による食道表在癌の治療
アルゴンプラズマ凝固法(argon plasma coagulation:APC)は外科手術時の臓器切断面止血法のひとつとして用いられてきたが, 内視鏡用のアプリケータが開発されてからは, 消化器内視鏡分野で新たな止血凝固法として注目を集めている1. APCはアルゴンガスを噴射し, その流れに高周波電流を重ねた非接触型高周波凝固法で, アルゴンガスはプローブ先端でイオン化されアルゴンプラズマ流となって組織に到達し, 表面を凝固する. その適応は止血処置の他, 腫瘍焼灼や食道静脈瘤の地固め療法にも使用されている. 特徴としては, 操作が簡便で短時間に広範囲を浅い深度で凝固できることがあげられる....
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69(4), pp.383-385 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | アルゴンプラズマ凝固法(argon plasma coagulation:APC)は外科手術時の臓器切断面止血法のひとつとして用いられてきたが, 内視鏡用のアプリケータが開発されてからは, 消化器内視鏡分野で新たな止血凝固法として注目を集めている1. APCはアルゴンガスを噴射し, その流れに高周波電流を重ねた非接触型高周波凝固法で, アルゴンガスはプローブ先端でイオン化されアルゴンプラズマ流となって組織に到達し, 表面を凝固する. その適応は止血処置の他, 腫瘍焼灼や食道静脈瘤の地固め療法にも使用されている. 特徴としては, 操作が簡便で短時間に広範囲を浅い深度で凝固できることがあげられる. 今回, 重篤な基礎疾患を合併しているため内視鏡的粘膜切除(Endoscopic mucosal resection:EMR), 外科手術が施行困難な食道表在癌に対しAPC治療を施行した症例を提示し, その有用性を報告する. 症例 71歳, 男性. C型肝炎による肝硬変, 食道静脈瘤, 肝細胞癌と診断され, 肝癌に対し, 1995年11月と1998年10月に手術施行, 静脈瘤に対しては, 適宜, 内視鏡的硬化療法および結紮療法を施行している. 2000年10月に静脈瘤の経過観察目的で内視鏡検査を施行した際, 切歯列より30cmにIIa集籏様の扁平隆起病変を認め(Fig. 1a), 生検にてsevere dysplasiaであった. |
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ISSN: | 1345-4676 1347-3409 |
DOI: | 10.1272/jnms.69.383 |