10)アミオダロンにより著明なQOLの改善をみた左室瘤に合併した心室頻拍の1例

64歳, 男性. 平成13年10月軽労作後に胸部不快感出現. 心電図は心拍数210/分の持続性心室頻拍で, lidocine静注にて洞調律へ復帰したが, 数日後労作時に再発し, この時lidocaineは無効で, 電気的除細動を要した. 同年11月7日当科へ転院. 心電図は心拍数54/分の正常洞調律, III, aVF誘導でR波の減高を認め, 胸部X線写真で心拡大はない(CTR43.9%)が, 心プールスキャンで左室後下壁心室瘤を認め, 心駆出率は37.8%. T1-BMIPP心筋シンチグラフィーでは下側壁に欠損像を認め, 陳旧性心筋梗塞と診断. 入院第8病日軽労作にて心室頻拍は再発し, 多剤...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69 (3), p.305-306
Hauptverfasser: 吉川真由美, 遠藤康実, 石井健輔, 吉田博史, 丸山光紀, 宮本新次郎, 浅井邦也, 田寺長, 雪吹周生, 鈴木健, 新博次, 岸田浩, 川口直美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:64歳, 男性. 平成13年10月軽労作後に胸部不快感出現. 心電図は心拍数210/分の持続性心室頻拍で, lidocine静注にて洞調律へ復帰したが, 数日後労作時に再発し, この時lidocaineは無効で, 電気的除細動を要した. 同年11月7日当科へ転院. 心電図は心拍数54/分の正常洞調律, III, aVF誘導でR波の減高を認め, 胸部X線写真で心拡大はない(CTR43.9%)が, 心プールスキャンで左室後下壁心室瘤を認め, 心駆出率は37.8%. T1-BMIPP心筋シンチグラフィーでは下側壁に欠損像を認め, 陳旧性心筋梗塞と診断. 入院第8病日軽労作にて心室頻拍は再発し, 多剤抗不整脈薬無効で硫酸マグネシウムのみで停止していた. 本例は低心機能かつ多剤抗不整脈薬抵抗性心室頻拍であることから第37病日よりamiodarone400mg/day内服を開始. 開始後再発をみるものの発作時心拍数は減少し, 自然停止ないしはlidocaine静注にて容易に停止するようになった. アミオダロン使用により臨床症状の著明な改善をみた左室心室瘤に伴う心室頻拍例を報告する.
ISSN:1345-4676