ブレオマイシン急性肺傷害における好中球接着浸潤に関わる分子の発現ならびに14員環マクロライドの抑制作用

ブレオマイシン(BLM)誘発肺傷害動物モデルはヒトの急性肺傷害特発性間質性肺炎のモデルとして広く使われている. BLM肺傷害肺線維症の発症機序はいまだ不明であるが, 肺傷害肺線維症の病態には好中球が重要な役割を果たしていることが確認されている. BLM急性肺傷害の病理組織学的特徴は肺実質における好中球とマクロファージの集積である. これまで我々は実験的BLM肺傷害モデルにおいて, 好中球の細胞浸潤には好中球と血管内皮間接着分子関与が不可欠であることを報告してきた. 一方, 慢性気道炎症性疾患の一つであるびまん性汎細気管支炎(DPB)にエリスロマイシン(EM)を経口投与することにより, 気管支肺...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2002, Vol.69(3), pp.252-261
Hauptverfasser: 李, 英姫, 吾妻, 安良太, 臼杵, 二郎, 松田, 久仁子, 青山, 昭徳, 工藤, 翔二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ブレオマイシン(BLM)誘発肺傷害動物モデルはヒトの急性肺傷害特発性間質性肺炎のモデルとして広く使われている. BLM肺傷害肺線維症の発症機序はいまだ不明であるが, 肺傷害肺線維症の病態には好中球が重要な役割を果たしていることが確認されている. BLM急性肺傷害の病理組織学的特徴は肺実質における好中球とマクロファージの集積である. これまで我々は実験的BLM肺傷害モデルにおいて, 好中球の細胞浸潤には好中球と血管内皮間接着分子関与が不可欠であることを報告してきた. 一方, 慢性気道炎症性疾患の一つであるびまん性汎細気管支炎(DPB)にエリスロマイシン(EM)を経口投与することにより, 気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好中球数が著明に減少することが報告され, この作用が従来の抗菌作用によらず, EMを始めとする14員環マクロライド(14-MRMLs)に共通した抗炎症作用によりDPBの患者の生存時間を改善することが報告されている. これまで, 我々はBLM肺傷害急性期にBALF中の好中球エラスターゼが重要な役割を果たし, EM投与により抑制されることを報告した.
ISSN:1345-4676
1347-3409
DOI:10.1272/jnms.69.252