P-52)当院における消化性潰瘍手術例の検討:最近20年間における手術症例の推移

緒言:H2受容体拮抗剤(H2RA)が本邦で導入されてから約20年が経過し, 1990年代に入ってからのプロトンポンプ阻害剤(PPI)の使用, さらに経内視鏡的止血法の普及やHelicobacter pyloriの除菌療法など, 近年の消化性潰瘍に対する保存的療法の進歩はめざましい. 以前は外科的疾患とされていた本症が現在では内科的薬物療法の対象疾患となった観がある. 今回, 当院における消化性潰瘍手術例の実態について検討したので報告する. 対象:最近20年間の当院外科における消化性潰瘍手術総数249例[男女比210:39, 年齢14~91歳(平均年齢:46.9±16.6歳)]を対象とし, 5年...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2001, Vol.68 (6), p.587-587
Hauptverfasser: 永嶋裕司, 沖浜裕司, 松田健, 平本義浩, 江上格, 松島申治, 渡邊秀裕, 長谷川博一, 山本英希, 飯田信也, 宮本昌之, 中村孝, 横山正, 鈴木成治, 寺本忠, 下村隆保, 大川敬一, 萩原信敏, 高島良樹, 河原理子, 吉岡正智, 恩田昌彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言:H2受容体拮抗剤(H2RA)が本邦で導入されてから約20年が経過し, 1990年代に入ってからのプロトンポンプ阻害剤(PPI)の使用, さらに経内視鏡的止血法の普及やHelicobacter pyloriの除菌療法など, 近年の消化性潰瘍に対する保存的療法の進歩はめざましい. 以前は外科的疾患とされていた本症が現在では内科的薬物療法の対象疾患となった観がある. 今回, 当院における消化性潰瘍手術例の実態について検討したので報告する. 対象:最近20年間の当院外科における消化性潰瘍手術総数249例[男女比210:39, 年齢14~91歳(平均年齢:46.9±16.6歳)]を対象とし, 5年毎のA期(1981~1985年), B期(1986~1990年), C期(1991~1995年), D期(1996~2000年)の4期に分類し検討した. 結果:手術症例数はA期119例, B期68例, C期32例, D期30例と, B, C, D期に著明な減少傾向を示した. 穿孔例はA期25例, B期23例, C期26例, D期22例と, 全期間を通して大きな変化はみられなかった. 一方, 出血例はA期25例, B期14例, C期1例, D期5例, 狭窄例もA期10例, B期4例, C期3例, D期2例と大きく減少した. A期に比べてD期は胃潰瘍で16.4%, 十二指腸潰瘍で30.3%に減少し, A期において難治例の占める割合大であった胃潰瘍の減少が著明であった. 手術術式としては, 近年, 十二指腸潰瘍穿孔に対する大網充填術の占める割合が大きく増加している.
ISSN:1345-4676