2)感染性心内膜炎による弁膜症に対し急性期に人工弁置換術を施行した2症例
目的:人工弁による弁置換術が感染性心内膜炎(IE)の急性期に施行されることは望ましくないが, 心不全のコントロールがつかなかったり, 不安定なvegetationがある場合は緊急手術の適応がある. 今回, 我々はIEによる弁膜症に対し急性期に弁置換術を施行し良好な結果を得た2症例について報告する. 症例1:31歳, 男性. 主訴は熱発. 平成12年4月8日38.5℃を越える熱発出現. 4月16目より失見当識を認め入院した. 診断はIE, 大動脈弁閉鎖不全症によるうっ血性心不全, 脳膿瘍. IEに対し抗生剤にて加療するも熱発改善せず, 5月17日, 大動脈弁置換術を施行した. 術後経過良好. 症...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2001, Vol.68 (2), p.207-207 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:人工弁による弁置換術が感染性心内膜炎(IE)の急性期に施行されることは望ましくないが, 心不全のコントロールがつかなかったり, 不安定なvegetationがある場合は緊急手術の適応がある. 今回, 我々はIEによる弁膜症に対し急性期に弁置換術を施行し良好な結果を得た2症例について報告する. 症例1:31歳, 男性. 主訴は熱発. 平成12年4月8日38.5℃を越える熱発出現. 4月16目より失見当識を認め入院した. 診断はIE, 大動脈弁閉鎖不全症によるうっ血性心不全, 脳膿瘍. IEに対し抗生剤にて加療するも熱発改善せず, 5月17日, 大動脈弁置換術を施行した. 術後経過良好. 症例2:38歳, 女性. 主訴は腰痛. 平成12年8月6日腰痛が出現. 8月14日, 近医を受診しDICを伴った敗血症の診断で8月16日, 当院CCUに入室となった. 四肢末梢に塞栓症による紫斑, 眼底のRoth斑を認め, 9月4日の経食道エコーで僧帽弁にvegetationを認めた. IE, 僧帽弁閉鎖不全症の診断で9月14日, 僧帽弁置換術を施行した. 術後経過良好. まとめ:感染性心内膜炎による弁膜症に対し, 急性期に人工弁置換術を施行した2症例を経験した. IEを伴った内科治療抵抗性の弁膜症の治療方針において, 緊急手術適応の妥当性が確認された. |
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ISSN: | 1345-4676 |