2)顔面に生じたスポロトリコーシスの1例

64歳, 女. 農業従事者. 平成12年1月, 農作業中に左上眼瞼を爪で自傷した. 創部が治癒せず腫脹, 隆起, 拡大し, 疼痛を伴うため, 同年4月7日近医受診し, 硫酸ゲンタマイシン軟膏外用による治療をうけたが無効で, 左頬部にも皮疹が出現してきたため, 深在性真菌症を疑われ, 同年5月18日当科紹介受診した. 左上眼瞼に15×15mm大の辺縁隆起し, 中心に痂皮が付着した浸潤を触れる紅斑が存在し, 左頬部には1×1mm大の紅色丘疹を5, 6カ所認めた. 頸部リンパ節は触知しなかった. 紅斑および丘疹の生検組織像は, 真皮全層にわたる肉芽腫性反応で, PAS染色にて多数の胞子を認める. 真...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2001, Vol.68 (2), p.205-206
Hauptverfasser: 木下順平, 青木恵理, 中村健一, 楠俊雄, 川名誠司, 森本健介, 服部怜美, 田中道雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:64歳, 女. 農業従事者. 平成12年1月, 農作業中に左上眼瞼を爪で自傷した. 創部が治癒せず腫脹, 隆起, 拡大し, 疼痛を伴うため, 同年4月7日近医受診し, 硫酸ゲンタマイシン軟膏外用による治療をうけたが無効で, 左頬部にも皮疹が出現してきたため, 深在性真菌症を疑われ, 同年5月18日当科紹介受診した. 左上眼瞼に15×15mm大の辺縁隆起し, 中心に痂皮が付着した浸潤を触れる紅斑が存在し, 左頬部には1×1mm大の紅色丘疹を5, 6カ所認めた. 頸部リンパ節は触知しなかった. 紅斑および丘疹の生検組織像は, 真皮全層にわたる肉芽腫性反応で, PAS染色にて多数の胞子を認める. 真菌培養ではクリーム状の部分と鐵襲のある暗灰色の部分の混じたコロニーを認めた. スライドカルチャーでは細い菌糸が伸長し, 菌糸には卵円形の分生子が多数生着しており, Sporothrix schenckiiと同定した. スポロトリキン反応陽性. イトリゾール100mg/day内服で約6週間後には, 瘢痕を残し治癒傾向にある.
ISSN:1345-4676