P-52)肝癌における4q21欠失領域のゲノムシークエンシング

目的:我々は肝癌の発生機構を解明すべく, 未だ有力な候補癌抑制遺伝子が単離されていない第4番染色体長腕について, マイクロサテライトDNAマーカーを用い染色体欠失の検索を行い詳細な欠失地図を作成し, ゲノムシークエンシングにより同部に存在する遺伝子を検索した. 対象および方法:PAC/BACライブラリーの3次元スクリーニングからゲノムクローンを単離しコンティグを作成した. さらに, これらPAC/BACクローンを超音波で破砕し, ゲル電気泳動を通して1~2Kbのサイズ分画を選択的に抽出し, プラスミドベクターにライゲーション後, トランスフォーメイションによる増幅, 選別を経て得られた約1,0...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 2000, Vol.67 (6), p.527-527
Hauptverfasser: 古口智子, 永井尚生, 峰伸也, 藤原博通, 寺田淑恵, 宮崎久美, 矢部彩, 阿竹智子, 横田隆, 坂東功一, 江見充
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:我々は肝癌の発生機構を解明すべく, 未だ有力な候補癌抑制遺伝子が単離されていない第4番染色体長腕について, マイクロサテライトDNAマーカーを用い染色体欠失の検索を行い詳細な欠失地図を作成し, ゲノムシークエンシングにより同部に存在する遺伝子を検索した. 対象および方法:PAC/BACライブラリーの3次元スクリーニングからゲノムクローンを単離しコンティグを作成した. さらに, これらPAC/BACクローンを超音波で破砕し, ゲル電気泳動を通して1~2Kbのサイズ分画を選択的に抽出し, プラスミドベクターにライゲーション後, トランスフォーメイションによる増幅, 選別を経て得られた約1,000個のサブクローンの両端をプラスミドプライマーを用いてサーマルサイクラー法に基づくシークエンスをABIPRISM377システムで行った. 得られたシークエンス情報は直ちにデータベース上のホモロジー検索により, 新規, あるいは既知の遺伝子相同性を明らかにした. 結果および考察:染色体欠失領域の検索により, 第4番染色体長腕セントロメア側(4q21-q22)の肝癌における原因遺伝子領域を2つのDNAマーカーD4S1534とD4S2929の間1cMに限局した. この領域におけるSTS/ESTなどのDNAマーカーに対応するYAC/PACクローンを単離し, 全領域をカバーするコンティグを作成し, データベースのホモロジー検索により, 1個の既知遺伝子と2個のESTとの完全相同性を, 6個のヒト遺伝子と5個のヒトESTとの部分相同性を見い出した. また, Grail/Genescanプログラムによるゲノムシークエンス上の新規転写領域(exon)の予測により, それぞれ36, 12個のエキソン様シークエンスを見い出した.
ISSN:1345-4676