P-44)虚血性大腸炎の1幼児例
幼児の虚血性大腸炎例を経験したので報告する. 症例は4ヵ月前に血便, 腹痛のため当院小児科を受診した2歳11ヵ月の男児. 腹部に腫瘤は触知せず, 抗生剤の服用歴もなかった. 血液生化学検査所見に明らかな異常所見はみられず, CRPも08以下であった. 腹部エコーにてtarget sign様所見を呈していた. その2日後に腹痛は消失したが血便(2回)続いたため注腸造影を行い, 下行結腸にthumb printingが認められ虚血性大腸炎と診断した. この時の便培養は病原性細菌陰性であった. また, メッケルシンチも陰性であった. 1ヵ月後に少量の下血(3回), 2ヵ月後に下痢を伴わない問歇的鮮血...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 2000, Vol.67 (6), p.525-525 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 幼児の虚血性大腸炎例を経験したので報告する. 症例は4ヵ月前に血便, 腹痛のため当院小児科を受診した2歳11ヵ月の男児. 腹部に腫瘤は触知せず, 抗生剤の服用歴もなかった. 血液生化学検査所見に明らかな異常所見はみられず, CRPも08以下であった. 腹部エコーにてtarget sign様所見を呈していた. その2日後に腹痛は消失したが血便(2回)続いたため注腸造影を行い, 下行結腸にthumb printingが認められ虚血性大腸炎と診断した. この時の便培養は病原性細菌陰性であった. また, メッケルシンチも陰性であった. 1ヵ月後に少量の下血(3回), 2ヵ月後に下痢を伴わない問歇的鮮血便(2回)があったため, その3週間後に当科にて全結腸内視鏡検査を全身麻酔下に施行した. 時間が経過したことも影響し, 出血, びらんはなく, SD-junctionに発赤を伴う陥凹部分が散在し, 2カ所より生検した. いずれも, 間質には充血, 出血, 浮腫および軽度炎症細胞浸潤, リンパ濾胞の腫大が認められ, 虚血性大腸炎も否定することは出来ないとの所見であった. 整腸剤を中心とした薬物療法にて症状は軽快した. その後外来にて経過観察中であるが再発はない. 虚血性大腸炎は一般には高齢者に多い疾患とされている. われわれは2歳11ヵ月の幼児に発生した極めて稀な虚血性大腸炎を経験した. 幼児においても, 下血がみられた際には直ちに緊急大腸内視鏡検査を行うことが重要である. |
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ISSN: | 1345-4676 |