P-121)急性肺胞出血をきたした急性腎不全の1例

症例:72歳, 男性. 主訴:喀血. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:62歳時よりインスリン非依存型糖尿病にて経口血糖降下剤療法中であった. 平成10年1月末頃より発熱, 咳嗽が出現し近医を受診. 感冒の診断にて抗生物質, 消炎鎮痛剤などを処方されたが改善なく, 2月中旬他医を受診. WBC 15,800/μl, CRP 7.8mg/dl, 胸部Xpで肺炎像を認め入院となる. PIPC 2g/day, 続いてPAPM/BP 2g/dayを投与されたが改善せず, 血糖コントロールも不良であった. 約35病日目, BUN 86.9mg/dl, Cr 5.7mg/dlと腎機能の低下とともにLD...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1998, Vol.65 (6), p.566-567
Hauptverfasser: 山口寛, 佐藤周三, 鯉渕仁, 網代由美子, 笹井恵子, 中野博司, 大庭建三, 妻鳥昌平, 清水光義, 飯野靖彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:72歳, 男性. 主訴:喀血. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:62歳時よりインスリン非依存型糖尿病にて経口血糖降下剤療法中であった. 平成10年1月末頃より発熱, 咳嗽が出現し近医を受診. 感冒の診断にて抗生物質, 消炎鎮痛剤などを処方されたが改善なく, 2月中旬他医を受診. WBC 15,800/μl, CRP 7.8mg/dl, 胸部Xpで肺炎像を認め入院となる. PIPC 2g/day, 続いてPAPM/BP 2g/dayを投与されたが改善せず, 血糖コントロールも不良であった. 約35病日目, BUN 86.9mg/dl, Cr 5.7mg/dlと腎機能の低下とともにLDH858IU/リットルと上昇, 貧血も進行したため3月4日当科へ転院となる. 非乏尿性急性腎不全, 肺炎, 脱水症と診断後, 補液, CEZ 2g/dayを開始した. しかし, BUN 70.6mg/dl, Cr 6.95mg/dlと腎機能増悪のため人工透析を施行. 透析開始1時間後, 大量喀血を認め呼吸不全となり人工呼吸器管理となった. 入院時凝固検査でトロンボテスト5.2%, ヘパプラスチンテスト8.0%, PT l4.1%, APTT 70.8秒よりVit K欠乏症と診新しVit Kを補充し出血は著明に改善した. その後も週3回透析は継続したが肺炎を繰り返し, 同年6月4日死亡した. 本症例の肺胞出血の原因は抗生物質の長期投与によるVit K欠乏症によると考えられた.
ISSN:1345-4676