P-101)糖尿病患者におけるパワースペクトル分析の有用性
はじめに:R-R間隔の変動(心拍変動)は自律神経機能と密接な関係にあり, 自律神経機能障害のある糖尿病(DM)患者では心拍変動は低下するといわれている. 今回, ホルター心電図検査実施者の中からDM患者と健常者を抽出し, パワースペクトル分析を行い比較検討したので報告する. 対象および方法:過去10年間にDM(空腹時血糖140mg/dl以上, HbA1c 7.0%以上)と診断された者20名, 健常者20名を対象とした. フクダ電子ホルター解析機SCM3000からパソコンNEC PC9821にR-R間隔データを送信し, 解析ソフト「R-R間隔スペクトル分析HPS-RRA」によりスペクトル分析を行...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 1998, Vol.65 (6), p.560-560 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに:R-R間隔の変動(心拍変動)は自律神経機能と密接な関係にあり, 自律神経機能障害のある糖尿病(DM)患者では心拍変動は低下するといわれている. 今回, ホルター心電図検査実施者の中からDM患者と健常者を抽出し, パワースペクトル分析を行い比較検討したので報告する. 対象および方法:過去10年間にDM(空腹時血糖140mg/dl以上, HbA1c 7.0%以上)と診断された者20名, 健常者20名を対象とした. フクダ電子ホルター解析機SCM3000からパソコンNEC PC9821にR-R間隔データを送信し, 解析ソフト「R-R間隔スペクトル分析HPS-RRA」によりスペクトル分析を行った. 24時間R-R間隔のうち, 睡眠前の安静, 覚醒時の512秒間の高周波数帯域(HF)パワー(0.148~0.398Hz)と低周波数帯域(LF)パワー(0.039~0.148Hz)を求めた. 結果:DM患者の平均値はHF 162.3msec2, LF 298.1msec2となり, 健常者の平均値はHF 280.6msec2, LF334.6msec2となった. 考察:DM患者は健常者に比べHF, LFともに低値を示し, DM患者の自律神経機能の低下傾向が認められた. DMによる自律神経機能障害は患者の自覚症状が乏しく, 無痛性心筋梗塞症を起こしたり, 低血糖症状に無自覚になりがちである. このことからDM患者の自律神経機能を知ることは重要であり, 今回実施したパワースペクトル分析は自律神経機能障害を知る上で有用であると思われる. |
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ISSN: | 1345-4676 |