P-95)膵臓腫瘍に対する術中迅速細胞診の検討

はじめに:我々は膵腫瘍に対する術中迅速診断に2ポイント採取法(腫瘍部および非腫瘍部からの採取)による穿刺吸引細胞診を用いることにより良好な成績が得られたので報告する. 対象:1995年5月から1998年5月までの3年間に, 膵臓腫瘍に対し穿刺吸引により術中迅速細胞診断を行った16症例について検討した. 方法:術中開腹後, 直ちに腫瘍部, 非腫瘍部の2カ所からそれぞれ穿刺吸引し術中迅速細胞診断を行う. 結果:組織診断した14例は, 11例が悪性腫瘍(腺癌10例, 腺扁平上皮癌1例), 3例が良性(仮性嚢胞2例, 漿液性嚢胞腺腫1例)であった. 悪性腫瘍11例ではclass V:6例, class...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1998, Vol.65 (6), p.558-558
Hauptverfasser: 礒部宏昭, 前田昭太郎, 細根勝, 原博, 片山博徳, 柳田裕美, 森川記代子, 日吾美栄子, 阿部久美子, 江上格, 浅野伍朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:我々は膵腫瘍に対する術中迅速診断に2ポイント採取法(腫瘍部および非腫瘍部からの採取)による穿刺吸引細胞診を用いることにより良好な成績が得られたので報告する. 対象:1995年5月から1998年5月までの3年間に, 膵臓腫瘍に対し穿刺吸引により術中迅速細胞診断を行った16症例について検討した. 方法:術中開腹後, 直ちに腫瘍部, 非腫瘍部の2カ所からそれぞれ穿刺吸引し術中迅速細胞診断を行う. 結果:組織診断した14例は, 11例が悪性腫瘍(腺癌10例, 腺扁平上皮癌1例), 3例が良性(仮性嚢胞2例, 漿液性嚢胞腺腫1例)であった. 悪性腫瘍11例ではclass V:6例, class IV:2例, class IIIb:3例で誤陰性は無かった. また, 良性腫瘍3例は全例class IIで誤陽性は無かった. まとめ:1)膵腫瘍に対する穿刺吸引による術中迅速細胞診断は凍結切片による術中迅速組織診断に比べ, その手技が容易であり, 術中の早い時期に腫瘤から細胞を採取でき速やかに報告できる. 2)腫瘍部および非腫瘍部の細胞所見を比較することができる2ポイント採取法は, 膵臓腫瘍に対する術中迅速細胞診断上極めて有効であった.
ISSN:1345-4676