P-74)Helicobacter pylori感染診断に用いるヘリコチェックの有用性について

ヘリコチェックは1998年3月に大塚製薬から発売されたHelicobacter pylori(H. pylori)診断用試薬で, 改良型迅速ウレアーゼテスト(RUT)の1つである. H. pylori感染の診断には多くの方法があるが, ヘリコチェックの有用性を組織診断法, ピロリテックテスト, 13C尿素呼気試験(UBT)と比較検討した. 本法の原理は, 尿素とpH指示薬であるフェノールレッドからなる基質試薬を生検組織と反応させ, H. pyloriのウレアーゼ活性により発生したアンモニアがフェノールレッドの色調を黄色から赤色に変化させるものである. 対象には胃潰瘍5例, 十二指腸潰瘍5例,...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1998, Vol.65 (6), p.551-551
Hauptverfasser: 森洋, 権田昌洋, 日下部史郎, 松久威史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヘリコチェックは1998年3月に大塚製薬から発売されたHelicobacter pylori(H. pylori)診断用試薬で, 改良型迅速ウレアーゼテスト(RUT)の1つである. H. pylori感染の診断には多くの方法があるが, ヘリコチェックの有用性を組織診断法, ピロリテックテスト, 13C尿素呼気試験(UBT)と比較検討した. 本法の原理は, 尿素とpH指示薬であるフェノールレッドからなる基質試薬を生検組織と反応させ, H. pyloriのウレアーゼ活性により発生したアンモニアがフェノールレッドの色調を黄色から赤色に変化させるものである. 対象には胃潰瘍5例, 十二指腸潰瘍5例, 萎縮性胃炎13例を含む, 39症例を用いた. ヘリコチェックに使用する生検組織はH. pylori陽性率の最も高い胃体上部大彎側から採取し, 試薬に埋没後2時間で判定した. 病理組織診断とヘルコチェックの感度, 特異度, 一致率はそれぞれ100.0%, 88.9%, 94.9%であった. なお, 病理組織診断には3定点生検((1)前庭部下部大彎側, (2)胃体上部大彎側, (3)胃体下部小彎側)を行い, ヘマトキシリン, エオジン染色, 特殊染色, 免疫染色標本を使用した. ヘリコチェックとピロリテックテスト(RUT)の感度, 特異度, 一致率(それぞれ100.0%, 88.9%, 94.9%), ヘリコチェックと13C-UBTの感度, 特異度, 一致率(それぞれ95.2%, 87.5%, 90.9%)も良好な成績を示した. ヘリコチェックは反応が鋭敏なため大部分のH. pylori陽性例では数分で色調の変化が始まり, 短時間でH. pylori感染の正確な診断が可能であった. このため, 除菌判定時にも使用が可能ではないかと考える.
ISSN:1345-4676