6)直腸癌術後急性腎不全に対し人工透析が有効であった1症例
術後急性腎不全は救命困難な合併症である. 今回, われわれは直腸癌の手術後急性腎不全で, 人工透析が著功を示し, 透析を短期間で離脱しえた1症例を経験したので報告する. 症例は60歳男性, 平成6年9月低位前方切除術(stage II)施行. 術後9ヵ月目に行った注腸造影にて前回手術吻合部下部に腫瘤を認め, 平成7年12月6日マイルス手術施行. この時, 再開腹であり癒着著明であることを想定し, 両側尿管確認の目的で術直前に膀胱鏡下にて尿管カテーテルを挿入した. 癌組織は前立腺に浸潤しており, 剥離時に尿道損傷を回避し得なかった. 術後直ちに両側のカテーテルを抜去したが, 術後1日目尿量95m...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 1997, Vol.64 (1), p.75-76 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 術後急性腎不全は救命困難な合併症である. 今回, われわれは直腸癌の手術後急性腎不全で, 人工透析が著功を示し, 透析を短期間で離脱しえた1症例を経験したので報告する. 症例は60歳男性, 平成6年9月低位前方切除術(stage II)施行. 術後9ヵ月目に行った注腸造影にて前回手術吻合部下部に腫瘤を認め, 平成7年12月6日マイルス手術施行. この時, 再開腹であり癒着著明であることを想定し, 両側尿管確認の目的で術直前に膀胱鏡下にて尿管カテーテルを挿入した. 癌組織は前立腺に浸潤しており, 剥離時に尿道損傷を回避し得なかった. 術後直ちに両側のカテーテルを抜去したが, 術後1日目尿量95ml/dayと減少し, 術後2日目には無尿となりBUN:77. 5, CRE:8. 4と上昇, 人工透析を行い腎機能の著明な改善をみ, 透析は1回で離脱した. その後骨盤腔内膿瘍形成するも洗浄などにて軽快し, 平成8年1月25日退院した. |
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ISSN: | 1345-4676 |