P-140)スナネズミへのストレプトゾトシン投与の影響
目的:糖尿病の動物モデルとして膵島β細胞破壊性薬剤であるアロキサンやストレプトゾトシンを用いた糖尿病動物の作成方法が確立されている. 今回, スナネズミへのストレプトゾトシン投与の影響につき膵臓を中心に各臓器の形態学的変化の推移を検索した. 材料および方法:日本医科大学実験動物管理室にて継代繁殖されたスナネズミ(10~12週齢)の大腿部を皮切し, 大腿静脈よりストレプトゾトシン150mg/kgを投与後, 経時的に血糖値を測定, 200mg/dl以上のものを高血糖群とした. 標本は膵臓, 大動脈, 肝臓, 腎臓, 肺臓より採取し, 光学顕微鏡的, 免疫組織化学的に観察した. 結果:病理組織学的に...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 1996, Vol.63 (6), p.577-578 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:糖尿病の動物モデルとして膵島β細胞破壊性薬剤であるアロキサンやストレプトゾトシンを用いた糖尿病動物の作成方法が確立されている. 今回, スナネズミへのストレプトゾトシン投与の影響につき膵臓を中心に各臓器の形態学的変化の推移を検索した. 材料および方法:日本医科大学実験動物管理室にて継代繁殖されたスナネズミ(10~12週齢)の大腿部を皮切し, 大腿静脈よりストレプトゾトシン150mg/kgを投与後, 経時的に血糖値を測定, 200mg/dl以上のものを高血糖群とした. 標本は膵臓, 大動脈, 肝臓, 腎臓, 肺臓より採取し, 光学顕微鏡的, 免疫組織化学的に観察した. 結果:病理組織学的に, 高血糖群では, 膵臓のランゲルハンス島の変性, 萎縮に伴うインスリンの局在の減少, グルカゴン陽性細胞の相対的増加がみられた. 大動脈では中膜平滑筋細胞の変性, 肝臓では肝細胞に空胞形成, PAS陽性物質の減少, 腎臓では尿細管上皮細胞の変性, 腫大と間質血管の壁細胞の腫大, 肺臓では局所的に血管壁の硝子様変性と肺胞腔内への出血が認められた. 考察および結語:ストレプトゾトシンは膵臓ランゲルハンス島のβ細胞のNADを減少させ細胞傷害を惹起するとされているが, スナネズミにおいてもこれを示唆する膵臓ランゲルハンス島の変性, 萎縮がみられた. また, β細胞傷害で生じた高血糖に基づく二次性変化として血管壁, 肝細胞, 尿細管上皮細胞に退行性病変が確認された. |
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ISSN: | 1345-4676 |