P-47)消化管穿孔における術前上部消化管内視鏡検査の必要性

消化管穿孔はfree airの存在や臨床症状, 腹部所見から存在診断, 部位診断がなされ, その多くが穿孔性十二指腸潰瘍のこともあり, 比較的容易に治療方針が決定されている. しかし, 高齢者やステロイド常用者などでは穿孔の所見に乏しくfree air陰性の時には部位診断はもとより, 穿孔自体の存在診断すらおぼつかないことも経験される. また, 胃穿孔の32~40%に胃癌穿孔が認められ, 術前に質的診断を要す症例がある. 我々はより的確な治療方針の決定を目的に, 胃, 十二指腸穿孔に対し術前内視鏡検査を施行してきたので報告する. 対象:胃, 十二指腸穿孔の診断, 疑診の55例. 男性45例,...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1996, Vol.63 (6), p.550-550
Hauptverfasser: 的場康徳, 豊島明, 内藤英二, 田崎達也, 原一郎, 馬越正通, 伊藤正秀, 角田誠之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:消化管穿孔はfree airの存在や臨床症状, 腹部所見から存在診断, 部位診断がなされ, その多くが穿孔性十二指腸潰瘍のこともあり, 比較的容易に治療方針が決定されている. しかし, 高齢者やステロイド常用者などでは穿孔の所見に乏しくfree air陰性の時には部位診断はもとより, 穿孔自体の存在診断すらおぼつかないことも経験される. また, 胃穿孔の32~40%に胃癌穿孔が認められ, 術前に質的診断を要す症例がある. 我々はより的確な治療方針の決定を目的に, 胃, 十二指腸穿孔に対し術前内視鏡検査を施行してきたので報告する. 対象:胃, 十二指腸穿孔の診断, 疑診の55例. 男性45例, 女性10例. 年齢は20~81歳. 結果:内視鏡診断は, 穿孔性十二指腸潰瘍39例, 穿孔性胃潰瘍5例, 胃癌穿孔2例, 上部消化管穿孔の除外された症例9例(小腸穿孔5例, 大腸穿孔2例, 胃アニサキス症1例, 胃内異物刺入1例)であった. 結論:術前内視鏡検査は他の画像診断では成しえない迅速かつ確実な穿孔の存在, 部位, 質的診断が同時に可能であった. 確定診断に基づいた的確な治療方針決定のために, 上部消化管穿孔には術前内視鏡検査が必須と考えられた.
ISSN:1345-4676