P-16)当院におけるMSBOS,T&S導入効果について

目的:MSBOS, T&Sは血液製剤の有効利用および検査の省力化を目的とした待機的手術時の血液準備システムであり, 当院では1994年6月より完全導入し, 約2年が経過した. 今回, 導入前後における血液製剤利用率, コストなどの比較において良好な結果が得られたので報告する. 方法:導入前後における定型的手術の平均依頼単位数, 平均輸血量からC/T比(C:交差適合試験を行った血液の数, T:実際に輸血された血液の数)を算出し, 種々の比較検討を行った. 結果:MSBOS対象術式の平均依頼単位数は33.5%減少し, C/T比は4.2から1.9へ改善された. さらに, 術中追加率も17.7...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1996, Vol.63 (6), p.541-541
Hauptverfasser: 菅野由紀, 中野一博, 吉野早恵子, 永積惇, 新宅孝征
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:MSBOS, T&Sは血液製剤の有効利用および検査の省力化を目的とした待機的手術時の血液準備システムであり, 当院では1994年6月より完全導入し, 約2年が経過した. 今回, 導入前後における血液製剤利用率, コストなどの比較において良好な結果が得られたので報告する. 方法:導入前後における定型的手術の平均依頼単位数, 平均輸血量からC/T比(C:交差適合試験を行った血液の数, T:実際に輸血された血液の数)を算出し, 種々の比較検討を行った. 結果:MSBOS対象術式の平均依頼単位数は33.5%減少し, C/T比は4.2から1.9へ改善された. さらに, 術中追加率も17.7%と低率であった. 交差適合試験実施数は年間12,000本減少し, 約350万円の試薬代が削減された. 考察:MSBOS, T&S導入により待機的手術時の血液準備量が設定され, 効率的な交差適合試験の実施, コストの削減, 血液製剤利用率増加が実現できた. MSBOSは一般的に, 定型的な手術では平均輸血量の1.5倍(C/T比)の準備量で望むシステムであり, 導入後のC/T比1.9は若干の改善点を含みながらも理想に近い値を示したといえる. 今後の課題として, 手術時間延長に伴う時間外での対応と検査レベルの維持向上があげられる.
ISSN:1345-4676