12)当院NICUで発生した新生児の原因不明の発疹症について

最近, 早期新生児期に発熱あるいは低体温に引き続き全身性の発疹を認める疾患が注目されている. 当院NICUにおいても平成8年4月から6月に5例の新生児に当疾患を合併したので報告する. 5例の内訳は男児3例, 女児2例でうち男児2例は双胎例である. 5例とも帝王切開で出生した. 低出生体重児(4例)と呼吸窮迫症候群(1例)のためNICUに入院した. 日齢3から6に全身に紅斑出現, 一部は丘疹を認めた. 5例中3例に発疹出現前の発熱を認め, 双胎の第2子は無呼吸発作のため酸素投与を要した. 血液検査では, 5例すべてに150,000/μl未満の血小板減少, 3例に5,000/μl未満の白血球減少,...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1996, Vol.63 (6), p.528-528
Hauptverfasser: 西澤善樹, 五島利佳子, 藤松真理子, 平山恒憲, 小松崎英樹, 永井雄一, 神保修, 藤田武久, 松岡和彦, 橋本清
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:最近, 早期新生児期に発熱あるいは低体温に引き続き全身性の発疹を認める疾患が注目されている. 当院NICUにおいても平成8年4月から6月に5例の新生児に当疾患を合併したので報告する. 5例の内訳は男児3例, 女児2例でうち男児2例は双胎例である. 5例とも帝王切開で出生した. 低出生体重児(4例)と呼吸窮迫症候群(1例)のためNICUに入院した. 日齢3から6に全身に紅斑出現, 一部は丘疹を認めた. 5例中3例に発疹出現前の発熱を認め, 双胎の第2子は無呼吸発作のため酸素投与を要した. 血液検査では, 5例すべてに150,000/μl未満の血小板減少, 3例に5,000/μl未満の白血球減少, 3例にCRP陽性を認めたがDICを呈したものはなかった. 咽頭, 便などの培養から4例にMRSAを検出した. 双胎例のみ抗生剤, ガンマグロブリン製剤, 新鮮凍結血漿投与を行ったが, 他の3例は無治療にて治癒した. 臨床経過, 血小板減少, 白血球減少などから5例すべてを最近全国的に発生している新生児の原因不明の発疹症と診断した. 本症の原因としてウイルス, 細菌, 薬剤などが考えられてきたが, 最近ではMRSAのトキシン説が有力である. 我々の症例でも5例中4例に発疹出現と前後してMRSAが検出されており, MRSAが何らかの影響を及ぼしていることが考えられた.
ISSN:1345-4676