十二指腸潰瘍治癒過程にあたえるランソプラゾールとアモキシシリン併用療法の効果

緒言 消化性潰瘍の中でも十二指腸潰瘍は再発しやすい. 消化性潰瘍の病態は攻撃因子と防御因子の天秤図を基に理解されてきた1). 1983年にWarrenとMarshallが螺旋状の繊毛を持つ細菌Helicobacter pylori(Hp)感染と慢性活動性胃炎との関連性を報告して以来, Hp感染は胃, 十二指腸病変を検討する上で避けて通れない重要な位置を占めるようになった2,3). 胃粘膜のHp感染は十二指腸潰瘍の再発とも密接に関与していることも明らかになり, 消化性潰瘍の累積再発率はHpを除菌すると劇的に低下することが明らかにされた4~12). このような経過から, 消化性潰瘍の病態はこれまで...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1996, Vol.63 (5), p.349-355
1. Verfasser: 丸山正明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 消化性潰瘍の中でも十二指腸潰瘍は再発しやすい. 消化性潰瘍の病態は攻撃因子と防御因子の天秤図を基に理解されてきた1). 1983年にWarrenとMarshallが螺旋状の繊毛を持つ細菌Helicobacter pylori(Hp)感染と慢性活動性胃炎との関連性を報告して以来, Hp感染は胃, 十二指腸病変を検討する上で避けて通れない重要な位置を占めるようになった2,3). 胃粘膜のHp感染は十二指腸潰瘍の再発とも密接に関与していることも明らかになり, 消化性潰瘍の累積再発率はHpを除菌すると劇的に低下することが明らかにされた4~12). このような経過から, 消化性潰瘍の病態はこれまでの攻撃因子, 防御因子に加えて, Hp感染という因子も考慮に入れて理解する必要が生じている. Hp除菌が十二指腸潰瘍の再発を抑制するならば, 除菌療法は潰瘍の治癒を促進すると考えられる. そこで十二指腸潰瘍症例にHp除菌を目的としてプロトンポンプ阻害剤であるランソプラゾールとアモキシシリンの併用療法を行い, 電子内視鏡を用いて治療終了時点の潰瘍の白色瘢痕率を検討した.
ISSN:1345-4676