10)術後経過からみた肺癌に対する肺部分切除術症例の検討

過去3年間に肺部分切除(肺葉切除未満)を行った症例の術後経過について検討した. 対象:平成3年8月~平成6年10月に第二病院外科で肺部分切除を行った肺癌は11例で, 1例は両側同時多発肺癌であり, 男性10例, 女性1例, 年齢は46~79歳(平均69.4歳)で76歳以上が6例であった. 組織型は腺癌6例, 扁平上皮癌4例, 腺扁平上皮癌1例, 大細胞癌1例で, 全例とも末梢型肺癌で術前の臨床病期はT1N0M0と考えられた. 部分切除となった理由をみると低肺機能6例, 心疾患4例, 糖尿病2例, 重複癌合併2例, 両側肺癌1例であった. 結果:全例にGIAまたはENDO-GIAを用いた楔状切除...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1995, Vol.62 (3), p.297-298
Hauptverfasser: 難波亨, 天野純治, 久吉隆郎, 木本洋一郎, 大久保哲行, 平野滋之, 栗原雄司, 野中尚子, 市川和雄, 佐藤雅史, 川並汪一, 内藤英二, 平野文也, 的場康徳, 平田知己, 赤岩順
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:過去3年間に肺部分切除(肺葉切除未満)を行った症例の術後経過について検討した. 対象:平成3年8月~平成6年10月に第二病院外科で肺部分切除を行った肺癌は11例で, 1例は両側同時多発肺癌であり, 男性10例, 女性1例, 年齢は46~79歳(平均69.4歳)で76歳以上が6例であった. 組織型は腺癌6例, 扁平上皮癌4例, 腺扁平上皮癌1例, 大細胞癌1例で, 全例とも末梢型肺癌で術前の臨床病期はT1N0M0と考えられた. 部分切除となった理由をみると低肺機能6例, 心疾患4例, 糖尿病2例, 重複癌合併2例, 両側肺癌1例であった. 結果:全例にGIAまたはENDO-GIAを用いた楔状切除術を行った. 切除部位はS6とS3が各4例, S9が2例, S1+2とS8が各1例であった. 開胸症例では縦隔リンパ節の郭清を行っていないが, 大細胞癌の1例においてのみ2群のリンパサンプリングで転移陽性であった. 平成6年以降の5症例すべてに胸腔鏡を使用しており, 2例は胸腔鏡下のみで切除し得た. 手術時間はほとんどが, 2時間以内で輸血を要せず, 術後に特に問題となる合併症は発生しなかった. 長期経過をまだみてはいないが, 2例は1年以内に全身転移で死亡, 他は最長2年5カ月生存中である. 結論:1)肺部分切除11例の臨床経過を検討した. 2)末梢型の小型肺癌が対象となった. 3)低肺機能や心疾患の合併が選択理由であった. 4)術後QOL極めて良好(特に胸腔鏡例で). 5)予後は現在まで1年生存率が67%である.
ISSN:1345-4676