31)高齢者,慢性硬膜下血腫再発例について

慢性硬膜下血腫は, 高齢者に多くみられる疾患であり再発も稀ではない. 今回我々は, 二度の硬膜下血腫再貯留きたし, 最終的に開頭血腫除去術を選択し, 血腫の消失した症例を経験した. 症例:71歳男性, 平成6年7月6日, 歩行障害, 意識障害にて発症し, 他院入院. CTにて, 左側慢性硬膜下血腫を認られたため手術目的にて, 当科に転院となる. 入院時, 意識レベル;JCS2から3, 瞳孔径は両側3mm×3mm, 対光反射は迅速. 右上下肢に不全麻痺を認めた. 既往は特記すべきものはなく, 外傷歴は不明であった. 同日, 穿頭血腫洗浄術施行し, 意識清明となり右半身麻痺消失した. 7月15日自...

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Veröffentlicht in:Journal of Nippon Medical School 1995, Vol.62 (1), p.85-86
Hauptverfasser: 幸田俊一郎, 諌山和男, 前川正義, 玉置智規, 志賀尚子, 勝見敦, 益子邦洋, 辺見弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性硬膜下血腫は, 高齢者に多くみられる疾患であり再発も稀ではない. 今回我々は, 二度の硬膜下血腫再貯留きたし, 最終的に開頭血腫除去術を選択し, 血腫の消失した症例を経験した. 症例:71歳男性, 平成6年7月6日, 歩行障害, 意識障害にて発症し, 他院入院. CTにて, 左側慢性硬膜下血腫を認られたため手術目的にて, 当科に転院となる. 入院時, 意識レベル;JCS2から3, 瞳孔径は両側3mm×3mm, 対光反射は迅速. 右上下肢に不全麻痺を認めた. 既往は特記すべきものはなく, 外傷歴は不明であった. 同日, 穿頭血腫洗浄術施行し, 意識清明となり右半身麻痺消失した. 7月15日自宅退院したが, 7月19日施行のCT上, 前回と同部に血腫再貯留を認め, 2回目の穿頭血腫洗浄術を施行し, 他院にて経過を観察していたところ, 8月26日のCT上, 再貯留の所見を認めたため, 神経症状はないものの, 再発性が高い血腫と判断して9月12日に開頭血腫除去術を施行した. 手術所見は多房性であり, 凝血塊を含む暗赤色流動性の血腫が存在し, これらの血腫を除去し, 外膜を可視的範囲で除去した. 術後経過は良好で, 9月24日退院, 10月4日施行のCT上, 再貯留の所見は認められなかった. 再発を繰り返す慢性硬膜下血腫症例に対して開頭血腫除去術は有用であった. 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-4676