Dupilumab導入によるうつ症状への影響

気管支喘息および慢性副鼻腔炎におけるうつ症状の合併は知られている.しかしながら治療に伴う精神症状の改善についての報告は少ない.今回は,抗IL-4受容体抗体であるdupilumabを導入した好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic chronic rhino-sinusitis:ECRS)合併喘息症例に対して,導入前後のうつ症状の変化を解析した.ECRS合併喘息患者にdupilumabを導入した31例を解析した.導入前と導入後4カ月において,喘息コントロールテスト(ACT),喘息QOL質問表(AQLQ),Sino-Nasal Outcome Test(SNOT-22)およびうつ症状の評価として...

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Veröffentlicht in:心身医学 2022, Vol.62(2), pp.139-145
Hauptverfasser: 奈良本, 駿, 小屋, 俊之, 長谷川, 隆志, 木村, 陽介, 島, 賢治郎, 青木, 亜美, 林, 正周, 酒井, 菜摘, 田中, 健太郎, 坪川, 史人, 筒井, 裕一, 新堀, 香織, 佐々木, 崇暢, 堀井, 新, 村松, 芳幸, 真島, 一郎, 村松, 公美子, 菊地, 利明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:気管支喘息および慢性副鼻腔炎におけるうつ症状の合併は知られている.しかしながら治療に伴う精神症状の改善についての報告は少ない.今回は,抗IL-4受容体抗体であるdupilumabを導入した好酸球性副鼻腔炎(eosinophilic chronic rhino-sinusitis:ECRS)合併喘息症例に対して,導入前後のうつ症状の変化を解析した.ECRS合併喘息患者にdupilumabを導入した31例を解析した.導入前と導入後4カ月において,喘息コントロールテスト(ACT),喘息QOL質問表(AQLQ),Sino-Nasal Outcome Test(SNOT-22)およびうつ症状の評価として,Patient Health Questionnaire(PHQ)-9を用いて評価した.治療前のPHQ-9の値は,SNOT-22スコアに相関を認めた.Dupilumab使用4カ月後のPHQ-9スコアは有意に低下した.特にACTスコアの3点以上改善群およびSNOT-22スコアが明らかに減少した症例にPHQ-9の改善を認めた.現病の治療介入によって,うつ症状の改善を認めた報告は少なく,今回の結果は生物学的製剤の臨床的効果が高いことを示す傍証と考えられる.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.62.2_139