心理士養成における人体解剖見学の意義

本稿では,全国的に実施事例のない,心理職志望学生の解剖実習見学による教育効果を報告する.2020年1月に公認心理師養成課程である香川大学医学部臨床心理学科に在籍する2年次生が,同大学医学部医学科における解剖実習を見学した.見学後のアンケートの結果,15名のうち8割の学生は,人体の形態・機能に関する理解を深めた.さらに,献体への敬意を含む生命倫理の理解,心理士としての職責の理解,ならびに学習意欲に関しては,すべての学生の意識が促進された.また,自由記述による回答では,主に「心理士に必要な知識・技能・態度」「実感による学習」「献体への敬意」に関する記述が報告された.見学を通じて,学生の人体の形態・...

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Veröffentlicht in:心身医学 2021, Vol.61(6), pp.540-545
Hauptverfasser: 川人, 潤子, 上田, 夏生, 神原, 憲治, 三木, 崇範, 黒滝, 直弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本稿では,全国的に実施事例のない,心理職志望学生の解剖実習見学による教育効果を報告する.2020年1月に公認心理師養成課程である香川大学医学部臨床心理学科に在籍する2年次生が,同大学医学部医学科における解剖実習を見学した.見学後のアンケートの結果,15名のうち8割の学生は,人体の形態・機能に関する理解を深めた.さらに,献体への敬意を含む生命倫理の理解,心理士としての職責の理解,ならびに学習意欲に関しては,すべての学生の意識が促進された.また,自由記述による回答では,主に「心理士に必要な知識・技能・態度」「実感による学習」「献体への敬意」に関する記述が報告された.見学を通じて,学生の人体の形態・機能の理解が促進され,さらに生命への慈愛の精神や対人援助職として必須である倫理観が育まれた.解剖実習見学による,心理士養成課程の学生への高い教育効果が確認された.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.61.6_540